20日の香港株式市場は5日続伸した。ハンセン指数の終値は前日比320.19pt(1.08%)高の29,962.47ptだった。2019年5月3日以来、約1年8カ月ぶりの高値。中国本土からの大規模な資金流入が続いているほか、売買も活況を呈し、投資家心理が一段と強気に傾いた。中国ネットサービスの騰訊控股(テンセント、00700)など中国大手ネット株を中心に買いが入った。ただ、指数が心理的節目の30,000ptに迫る場面では短期的な利益確定目的の売りも出て伸び悩んだ。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで202億8900万香港ドルの買い越しだった。香港メーンボードの売買代金は3002億香港ドルと、節目の3000億香港ドルを連日で上回る大商いとなった。過去最高を更新した前日(3015億香港ドル)からは小幅に減ったが、引き続き高水準での推移が続いている。
20日の米株式相場は続伸した。ダウ工業株30種平均は前日比257ドル86セント(0.8%)高の31,188ドル38セントで終え、過去最高値を更新した。決算期待から主力ハイテク株が大幅高となり、相場上昇をけん引した。バイデン氏が米大統領に就任し、大型の経済対策の成立や新政権下で新型コロナウイルスワクチンの普及が進むとの観測も買いを誘った。
本日の香港株式市場は、前日の米株式市場で主要3指数が最高値を更新したことを受け、香港市場にも買いが波及しそうだ。また、中国本土からの資金流入期待による相場の先高観も根強く、買い優勢となりそうだ。
(マーケット支援部 床井)
上値に対して慎重な動きになろう
20日の中国・上海株式相場は反発した。上海総合指数の終値は前日比16.7106pt(0.46%)高の3583.0920ptとなった。中国人民銀行(中央銀行)が短期金融市場での公開市場操作(オペ)で2800億元と多めの資金を供給し、緩和的な金融環境が続くとの安心感が支えとなった。ニューエコノミー関連企業の上場が多い深セン「創業板」指数の大幅高も投資家心理を上向かせ、上海総合指数はこの日の高値圏で引けた。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで33億9300万元の買い越しだった。個別では、京東方科技集団(BOEテクノロジー・グループ、000725)、中国中免(チャイナ・ツーリズム・グループ・デューティー・フリー、601888)、興業銀行(インダストリアル・バンク、601166)などが買い越しとなり、宜賓五糧液(ウーリャンイェー・イビン、000858)、貴州茅台酒(グイジョウ・モウタイ、600519)、三一重工(サニーベビー・インダストリー、600031)、隆基緑能科技(ロンギ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、内蒙古伊利実業集団(インナー・モンゴリア・イーリ・インダストリアル、600887)などが売り越しとなった。
本日の中国株式市場は、足元の好地合いを引き継ぎ株価が崩れることはなかろう。ただ、新規の取引材料が乏しいなか、上値に対しては慎重な動きとなろう。
(マーケット支援部 床井)