25日の香港、米国市場はクリスマスにより休場だった。
28日の香港市場でハンセン指数は上値の重い展開か。英国を中心に新型コロナウイルスの変異種の感染が広がっていることが相場の重荷となろう。米国の経済対策の成立遅れも不透明感を増幅させる要因となりそうだ。中国の習近平国家主席は26日、改正国防法に署名したと伝わった。中国の国益が脅かされたと判断した場合などに軍民を総動員して対抗できる態勢をとる狙いがあるとされ、米国の経済制裁なども意識し強軍路線を進める方針との見方が広がっており、米中対立への警戒感につながりそうだ。個別ではアリババ集団(09988)の動向に注目が集まりそうだ。同社傘下の金融会社アント・グループへの中国人民銀行による聴取が伝わった。金融当局はアントに5項目の改善要求を突きつけたとされ、アントは業務改革案とスケジュール作成に着手したなどとするコメントを発表した。アリババ集団は24日に聴取実施が伝わった際に、香港、米国市場で大きく下げており、今回の報道が材料出尽くしと捉えられるか注目されそうだ。
(マーケット支援部 井上)
方向感に乏しい展開か
25日の中国・上海株式相場は反発。上海総合指数の終値は前日比33.4493pt(0.99%)高の3,396.5626ptだった。中国では11月の電力消費が大きく伸びており、工業生産や消費の増勢基調が続くとの見方が広がった。冬季の電力需給の逼迫を受けて電力やガス、石炭株が買われ、相場を押し上げた。
本日の中国本土市場は、方向感に乏しい展開か。全国人民代表大会(全人代、国会に相当)が3月5日からの開催と発表されており、中国経済の正常化と政策への期待が高まろう。一方で、習近平国家主席による改正国防法への署名については、国内に強気な姿勢を示すことにつながる反面、海外投資家心理に多少の影響を及ぼすものと思われる。3日ぶりに取引再開となるストックコネクト取引の動向に注目が集まりそうだ。
(マーケット支援部 井上)