22日の香港株式市場は3日続落。ハンセン指数の終値は前日比187.43pt(0.71%)安の26,119.25ptと11月9日以来およそ1カ月半ぶりの安値だった。感染力を増した新型コロナウイルス変異種の英国での拡大により欧州などで移動規制が強化されており、経済活動が滞ることへの警戒が強まった。米商務省が21日に航空宇宙分野などの中国企業を輸出規制先に追加したことも投資家心理の重荷となった。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで6億8500万香港ドルの買い越しだった。
22日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、前日比200ドル94セント(0.7%)安の30,015ドル51セントで取引を終えた。米議会は21日に9000億ドル規模の追加経済対策を可決した。米主要株価指数が過去最高値圏にある中、目先の材料出尽くしとみた利益確定売りが優勢となった。英の新型コロナウイルスの変異種の拡大も市場心理の重荷だった。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反発し、前日比65.402pt(0.5%)高の12,807.918ptと過去最高値を更新した。
本日の香港市場でハンセン指数は一進一退の展開を想定。米株式市場ではハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数が最高値を更新しており、香港市場でもネット関連株などの買い戻しを誘いそうだ。一方で、新型コロナウイルスの変異種などを警戒する流れは継続か。香港市場はクリスマスに絡み明日(24日)が半日取引、明後日(25日)が休場となる。取引参加者の減少が予想される中、方向感に乏しい動きとなりそうだ。
(マーケット支援部 井上)
方向感に乏しい展開か。高値圏で利益確定売りが優勢となる可能性は留意しておきたい
22日の中国・上海株式市場は反落。上海総合指数の終値は前日比63.7871pt(1.86%)安の3356.7822ptと、心理的な節目の3,400ptを再び割り込んだ。英国などにおける新型コロナウイルス変異種の感染拡大を受け、世界の経済活動の停滞が長引けば中国景気にも悪影響が及ぶとの懸念が広がった。指数は午後に下げ幅を拡大し、この日の安値圏で引けた。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで35億8500万元の売り越し。個別では、江蘇恒瑞医薬(600276)、貴州茅台酒(600519)、京東方科技(000725)などが買い越しとなり、ハイアール・スマート・ホーム(600690)、ラックスシェア(002475)、上海汽車集団(600104)などが売り越しとなった。
本日の中国本土市場は方向感に乏しい展開か。昨日の上海総合指数の下落率は1.86%と9月9日以来の大きさとなった。香港市場の休場に絡み、ストックコネクト・ノースバウンド取引は明日、明後日と受付不可となる。海外投資家の休み前に高値圏で利益確定売りが優勢となる可能性は留意しておきたい。
(マーケット支援部 井上)