21日の香港株式相場は続落した。ハンセン指数の終値は前週末比191.92pt(0.72%)安の26,306.68ptだった。英国での新型コロナウイルスの変異種の発生や香港政府による行動制限措置の延長が嫌気された。中国政府が2021年の経済運営の重要課題として「独占禁止の強化」を盛り込んだのを受け、大型ネット株へのリスク回避目的の売りも相場の重荷となった。電子商取引のアリババ集団(09988)やネットサービスのテンセント(00700)が軟調。当局の意向を受けて自社アプリを通じた個人向け銀行預金商品の販売を中止したと伝わり、収益の向かい風になるとの懸念が広がった。半面、香港取引所(00388)は上場来高値を更新した。トランプ米大統領が米国に上場する中国企業の監視を強化する法案に署名したのを受け、上場先として香港を選ぶ中国企業が増えるとの思惑が株価を押し上げた。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで13億6900万香港ドルの買い越しだった。
21日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、前週末比37ドル40セント(0.1%)高の30,216ドル45セントで終えた。新型コロナウイルスの変異種への懸念から朝方に一時400ドル超下落したが、売り一巡後は下げ幅を縮め、午後に上げに転じた。米政府の追加経済対策への期待から買い優勢となった。ナスダック総合株価指数は前週末比13.122pt(0.1%)安の1万2742.516と小幅に続落した。
本日の香港株式市場は、新型コロナウイルスの変異種の感染が英国で広がっていることが嫌気されることになりそうだ。ただ、これまでに開発されたワクチンが有効と見られているほか、経済の回復を背景とした相場の先高観も根強く、売り一巡後は押し目買いが入る可能性もあろう。
(マーケット支援部 床井)
政策の恩恵を受ける関連株を中心に物色される動きとなろう
21日の中国・上海株式相場は反発した。上海総合指数の終値は前週末比25.6733pt(0.75%)高の3420.5693ptと、節目の3400pt台を回復した。中国政府は18日まで開いた中央経済工作会議で重点項目の1つに環境分野を盛り込んだ。政策の恩恵を受けるとの見方が改めて強まり、太陽光パネルやバッテリー関連株などを中心に買いが入った。香港との証券相互取引を通じた海外投資家による中国本土株売買が大幅な買い越しとなり、海外資金の流入期待も相場を押し上げた。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで78億6000万元の買い越しだった。個別では、宜賓五糧液(000858)、京東方科技集団(000725)、貴州茅台酒(600519)、江蘇恒瑞医薬(600276)、中国旅游集団中免(601888)、上海国際機場(600009)などが買い越しとなり、ハイクビジョン(002415)、瀘州老窖(000568)、三一重工(600031)などが売り越しとなった。
本日の中国本土市場は、英国で新型コロナウイルスの変異種が拡大していることを受け、売り先行となりそうだ。前日に引き続き政策の恩恵を受けると見られる環境関連株を中心に物色される動きとなろう。
(マーケット支援部 床井)