17日の香港株式市場は続伸した。ハンセン指数の終値は前日比218.09pt(0.82%)高の26,678.38ptと、この日の高値で引けた。米国での量的緩和の長期化観測を背景に、16日の米国市場でハイテク株が買われ、香港市場にもハイテク株買いの流れが波及した。アジア時間17日の米株価指数先物が上昇幅を広げると、歩調を合わせた買いも入った。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで4億1500万香港ドルの買い越しだった。
17日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発した。前日比148ドル83セント(0.5%)高の30,303ドル37セントと4日以来、およそ2週ぶりに過去最高値を更新した。追加の米経済対策の早期成立期待が買いを誘った。米連邦準備理事会(FRB)による金融緩和の長期化観測も支えとなった。ただ、新型コロナの感染拡大で目先の米景気が下振れするとの懸念は、相場の上値を抑えた。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は4日続伸し、前日比106.557pt(0.8%)高の12,764.745ptと連日で過去最高値を更新した。
本日の香港株式市場は、前日の米国株式市場が上昇した流れを引き継ぎ、高く始まると見られる。ただ、中国で近く開かれる予定の中央経済工作会議の日程がまだ発表されておらず、様子見姿勢が強まろう。全体的に上値を伸ばしにくい半面、値動きのいい医薬品株は物色される可能性はあろう。
(マーケット支援部 床井)
もみ合い、上値の重い展開か
17日の中国・上海株式市場は3日ぶりに反発した。上海総合指数の終値は前日比37.8900pt(1.12%)高の3404.8732ptと、心理的な節目の3400pt台を回復し、8日以来およそ1週間半ぶりの高値を付けた。中国経済の回復を背景とした相場の先高観が根強く、大型株を中心に押し目買いが優勢となった。指数は午前中ごろに上げに転じるとほぼ一本調子で上げ幅を広げ、この日の高値圏で引けた。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで80億5900万元の買い越しだった。個別では、江蘇恒瑞医薬(600276)、貴州茅台酒(600519)、内蒙古伊利実業集団(600887)、宜賓五糧液(000858)、長春高新技術産業(000661)、ラックスシェア(002475)などが買い越しとなり、中国中免(601888)、美的集団(000333)、ハイクビジョン(002415)などが売り越しとなった。
本日の中国本土市場は、もみ合い、上値の重い展開か。中国共産党が翌年の経済運営方針を決める中央経済工作会議が近く開かれるとの観測から、結果を見極めたいとの思惑が警戒され、株価の上値を抑える要因となりそうだ。
(マーケット支援部 床井)