16日の香港株式市場でハンセン指数は3営業日ぶりに反発した。終値は前日比253.00pt(0.96%)高の26,460.29ptだった。前日の米株高を受け投資家心理が改善した。米追加経済対策や欧米での新型コロナウイルスのワクチン普及などへの期待を手がかりに、幅広い銘柄に買いが入った。ただ、香港時間17日未明に米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表を控えるほか、中国共産党の重要会議である中央経済工作会議が近く開かれるとの観測も浮上し、様子見気分から指数の上値は限られた。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで7600万香港ドルの買い越しだった。
16日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小幅に反落し、前日比44ドル77セント(0.1%)安の30,154ドル54セントで終えた。11月の米小売売上高が市場予想を下回り、短期的な米景気の下振れリスクが懸念された。米政府の追加経済対策への期待や、米連邦準備理事会(FRB)による量的緩和の長期化観測は支えとなり、午後には小幅高に転じる場面もあった。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は続伸した。前日比63.128pt(0.5%)高の12,658.188ptで終え、連日で過去最高値を更新した。高PER(株価収益率)株が多いハイテク株は金利低下の恩恵を受けやすいうえ、景気悪化が業績の逆風になりにくく、買い安心感が広がった。
本日の香港株式市場は、米国の追加経済対策の早期成立期待と金融緩和の長期化が意識され投資家心理の支えとなろう。一方で、トランプ米政権が規制対象リストに指定した中国企業を指数構成銘柄から除外すると発表したことが上値を抑える要因となりそうだ。
(マーケット支援部 床井)
上昇か、中国共産党重要会議控え模様眺めも
16日の中国・上海株式市場は小幅に続落した。上海総合指数の終値は前日比0.2494pt安の3,366.9832ptだった。米国が投資禁止先とした一部中国企業からの資金流出の警戒感が根強かった。中国の来年の経済運営方針を決める共産党の中央経済工作会議が近く開かれる見通しで、政策期待などが相場を下支えした。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで19億1500万元の買い越しだった。個別では、ラックスシェア(002475)、宜賓五糧液(000858)、貴州茅台酒(600519)、江蘇恒瑞医薬(600276)、中国中免(601888)、内蒙古伊利実業集団(600887)などが買い越しとなり、美的集団(000333)、ハイクビジョン(002415)、などが売り越しとなった。
本日の中国本土市場は、前日の米国株式市場でナスダック総合株価指数が最高値を更新したことを受け、上昇しそうだ。ただ、中央経済工作会議を控えており、模様眺めムードも強そうだ。
(マーケット支援部 床井)