15日の香港株式市場は続落。ハンセン指数の終値は前日比182.23pt(0.69%)安の26,207.29ptだった。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が続いており、先行きの景気に対する不透明感から投資家が運用リスクを回避する姿勢を強めたことに加え、中国当局による規制強化方針を背景に中国ネット大手株を中心に売りが出た。ハイテク関連の30銘柄で構成するハンセンテック指数は反落し、前日比0.42%安。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで5億1700万香港ドルの買い越しだった。
15日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、前日比337ドル76セント(1.1%)高の30,199ドル31セントで取引を終えた。追加経済対策を巡る米与野党の協議が進展するとの観測が広がり、投資家心理が強気に傾いたほか、新型コロナウイルスのワクチンの普及期待も、景気敏感株を中心とした買いを後押しした。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は続伸。前日比155.020pt(1.2%)高の12,595.060ptで取引を終え、1週間ぶりに過去最高値を更新した。
本日の香港市場でハンセン指数は買い先行スタート後もみ合いか。米株式市場の上昇を好感し、買いが先行しよう。また米国市場ではiPhoneの増産が伝わったアップル(AAPL)が5%高となっており、香港市場でも関連銘柄に注目が集まりそうだ。一方で、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を前に、持ち高調整売りも出やすい処と思われるほか、MSCIが米国の規制を受けた措置として中国企業10社を一部の指数から除外すると発表したことを受け、米中対立への警戒感も高まろう。買い一巡後は方向感に乏しい動きとなりそうだ。
(マーケット支援部 井上)
好材料の出た銘柄を選別物色する動きが強まりそう
15日の中国・上海株式市場は小幅に反落。上海総合指数の終値は前日比1.8875pt(0.05%)安の3,367.2326ptだった。時価総額の大きい銀行や保険などへの売りが重荷となった。中国国家統計局が発表した11月の主要経済統計が良好な内容だったことが投資家心理の支えとなり、相場は午後に下げ幅を縮小した。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで3億5000万元の売り越し。個別では、分衆伝媒(フォーカス・メディア、002027)、江蘇恒瑞医薬(600276)、伊利実業集団(600887)などが買い越しとなり、宜賓五糧液(000858)、格力電器(グリー・エレクトリック、000651)、ハイクビジョン(002415)、貴州茅台酒(600519)などが売り越しとなった。
本日の中国本土市場は、方向感に乏しい展開を想定。昨日発表の11月の主要経済指標は概ね良好な内容となったものの、新型コロナで拡張した財政について縮小する方針が報じられていることから、株式市場は当面は跛行色が強い展開も想定されよう。アップル関連など、好材料の出た銘柄を選別物色する動きが強まりそうだ。
(マーケット支援部 井上)