14日の香港株式市場は反落した。ハンセン指数の終値は前週末比116.35pt(0.43%)安の26,389.52ptだった。中国の習近平指導部が11日の共産党中央政治局会議で「独占と資本の無秩序な拡大の防止を強化する」と表明した。大手ネット企業を念頭に置いたとみられ、関連銘柄を中心にリスク回避の売りが膨らんだ。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで9700万香港ドルの買い越しだった。
14日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、前週末比184ドル82セント(0.6%)安の29,861ドル55セントで終えた。新型コロナウイルスの感染再拡大に歯止めがかからず、米経済への影響を懸念した売りが出た。米国では感染防止のためロックダウン(都市封鎖)が再度導入されるとの観測も浮上し、投資家心理を冷やした。米食品医薬品局(FDA)は11日、米ファイザーと独ビオンテックが共同開発したワクチンの緊急使用を許可し、14日から全米で接種が始まった。もっとも、国民に広く接種されるのは来年春以降とみられ、21年1~3月期の経済の落ち込みは避けられないとの見方が根強い。与野党が協議中の追加経済対策が近く合意するとの観測から、ダウ平均は午前中に200ドル超上昇する場面があったが、その後はじりじりと水準を切り下げ、引けにかけて一段安となった。
本日の香港株式市場は、前日の米国株式市場の下落を引き継ぎ続落となろう。中国当局の規制強化への警戒感もくすぶるなか、目先は売り圧力に押される地合いを強いられそうだ。ただ、中国の習主席は「パリ協定」の採択5周年を記念する12日の首脳会合で、2030年までに国内総生産(GDP)あたりの二酸化炭素(CO2)排出量を05年と比べて65%超削減すると表明したとの報道があった。これを受け、関連銘柄の風力発電設備メーカーの新疆金風科技(02208)、太陽光発電設備メーカーの信義光能(00968)などの注目は高まろう。
(マーケット支援部 床井)
もみ合いか、主要経済指標の改善期待が下支えとなるか
14日の中国・上海株式市場は反発した。上海総合指数の終値は前週末比21.9291pt(0.65%)高の3369.1201ptだった。朝方は素材関連株を中心に売りが先行したが、指数がおよそ1カ月ぶりの安値圏で推移していたとあって、徐々に値ごろ感を意識した買いが優勢となった。免税店などの観光関連や自動車株の上昇が目立った。食品や酒造が高かったほか、農産品や軍需関連も買われた。半面、鉄鋼や石炭、セメントなどの素材関連が軒並み安となり、空運や化学も下落した。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで2億2300万元の買い越しだった。個別では、貴州茅台酒(600519)、江蘇恒瑞医薬(600276)、宜賓五糧液(000858)などが買い越しとなり、中国中免(601888)、上海汽車集団(600104)、ハイクビジョン(002415)、ラックスシェア(002475)などが売り越しとなった。
本日の中国本土市場は、もみ合いの展開か。日本時間11時に中国の11月の主要経済指標が発表される予定。市場予想は、鉱工業生産、小売売上高、固定資産投資ともに前月より改善が見込まれており、回復基調が確認できれば本日の相場の下支え材料となろう。
(マーケット支援部 床井)