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中国株マーケット情報ワクチン調達契約で経済活動再開への期待が高まるかに注目

11日の香港株式市場は反発。ハンセン指数の終値は前日比95.28pt(0.36%)高の26,505.87ptだった。10日の米ハイテク株高や、英当局がHSBCなどの金融機関の配当再開を容認したと伝わったことが投資家心理の支えとなった。ハンセン指数は朝方に1.1%高まで上げる場面もあったが、香港時間11日に米株価指数先物が一時下げに転じると上げ幅を縮めた。香港上場のハイテク関連30銘柄で構成するハンセンテック指数も反発し、前日比0.68%上昇した。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで7000万香港ドルの買い越しだった。

11日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反発し、前日比47ドル11セント(0.2%)高の30,046ドル37セントで取引を終えた。映画・娯楽のウォルト・ディズニーが急伸し、ダウ平均を押し上げた。米国で新型コロナウイルスのワクチンが近く承認されるとの見方も市場心理を支えた。ただ、米国の追加経済対策を巡る与野党協議が進展せず上値は重かった。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反落し、前日比27.936pt(0.2%)安の12,377.872ptで取引を終えた。

本日の香港市場でハンセン指数はもみ合いか。香港政府は11日、中国製薬大手、科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)を含む3種類の新型コロナウイルス向けワクチンの調達契約を結んだと発表した。第1陣として来年1月にも100万回分が到着する見通し。政府が手配するワクチンに対しては、歓迎と不安が交錯しているようだが、経済活動再開への期待材料として市場がポジティブな反応を示すか注目されよう。明日は、中国の主要経済指標が発表される予定。内容を見極めたいといった向きは多いと思われ、手控えムードが強まる可能性も留意しておきたい。

  

(マーケット支援部 井上)

国有企業のデフォルトが上値を抑えよう

11日の中国・上海株式相場は反落。上海総合指数の終値は前日比26.0848pt(0.77%)安の3,347.1910ptだった。来週にかけて11月の主要経済指標の発表を控え、足元の中国国内景気を見極めたいとの様子見気分から持ち高調整の売りが優勢となった。朝方に小幅高となった場面での上値の重さが嫌気され、指数は午後にかけ軟調に推移した。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は合わせて成約ベースで39億6800万元の売り越し。個別では、格力電器(000651)、宜賓五糧液(000858)、貴州茅台酒(600519)、中国中免(601888)などが買い越しとなり、ハイクビジョン(002415)、京東方科技(000725)、海天調味食品(603288)などが売り越しとなった。

本日の中国本土市場は上値の重い展開か。中国政府系半導体大手、紫光集団の発行した社債がこのほど、再びデフォルト(債務不履行)に陥ったと伝わった。同社は先月16日に私募債13億元の満期償還に失敗したばかりであり、市場では同社の信用力に対する懸念が再び高まろう。米中対立への懸念とともに上値を抑える要因として意識されそうだ。

   

(マーケット支援部 井上)

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