10日の香港株式市場は反落した。ハンセン指数の終値は前日比92.25pt(0.34%)安の26,410.59ptだった。前日の米株安を受け、短期的な過熱感が意識され売りが優勢となった。中国外務省の報道官は10日の定例記者会見で、「香港とマカオを訪問する米国の外交官パスポート保有者に対するビザ免除措置を取り消す」と述べた。米政府による中国高官14人への制裁に対する報復措置とみられ、米中関係が一段と悪化するとの懸念も重荷となった。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで18億1700万香港ドルの買い越しだった。
10日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、前日比69ドル55セント(0.2%)安の29,999ドル26セントで終えた。追加経済対策を巡る与野党協議が難航しており、景気敏感株を中心に売りが優勢だった。また、米国の新型コロナによる死者数は9日に3000人を超え、過去最多を更新した。経済活動の制限も広がっている。追加経済対策がないまま感染が拡大し、来年初めにかけて米景気を下押しするリスクが警戒された。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反発し、前日比66.855pt(0.5%)高の12,405.808ptで終えた。
本日の香港株式市場は、積極的に取引が行われる動きにはならず、もみ合いの展開か。米中関係の悪化懸念や米国での追加経済対策の難航を嫌気されることになりそうだ。
(マーケット支援部 床井)
上値に対して慎重、引き続き米中対立が重荷となろう
10日の中国・上海株式市場は4営業日ぶりに小幅に反発した。上海総合指数の終値は前日比1.3118pt(0.03%)高の3373.2758ptだった。指数はおよそ2週間ぶりの安値圏で推移しており、値ごろ感を意識した買いが入った。9日夕に発表された中国の11月末時点の現預金総額(M2)が前月から増加率を広げるなど、中国景気の回復観測が強まったことも相場を下支えした。反面、米S&Pグローバルが9日にトランプ米政権による投資禁止措置の対象となった中国企業を同社が算出する指数から除外すると発表するなど、米中対立への懸念が相場の重荷となった。来週に11月の中国主要統計の発表を控えるなか、午後は方向感を欠く展開が続いた。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで15億2200万元の買い越しだった。個別では、貴州茅台酒(600519)、中国中免(601888)、京東方科技集団(000725)、美的集団(000333)などが買い越しとなり、格力電器(000651)、宜賓五糧液(000858)、ラックスシェア(002475)などが売り越しとなった。
本日の中国本土株式市場は、引き続き米中対立への懸念が重荷となろう。米追加経済対策が膠着していることもあり、上値に対して慎重な動きが続きそうだ。
(マーケット支援部 床井)