8日の香港株式市場は続落。ハンセン指数の終値は前日比202.29pt(0.76%)安の26,304.56ptだった。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が続いているほか、米中対立の激化懸念もくすぶり、投資家が運用リスクを回避する姿勢を強め、石油関連などの景気敏感株を中心に売りが出た。一方で、スマートフォンの小米集団(01810)や出前アプリの美団(03690)などハイテク株の上げが目立った。香港市場に上場したネット通販の京東集団(JDドットコム、09618)傘下で医薬品通販などを手がける京東健康(JDヘルス、06618)は公開価格を56%上回る110.00香港ドルで取引を終了。ハイテク関連の30銘柄で構成するハンセンテック指数は反発し、前日比1.76%高だった。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで30億8100万香港ドルの買い越しだった。
8日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、前日比104ドル09セント(0.3%)高の30,173ドル88セントで取引を終えた。英国で新型コロナウイルスのワクチン接種が8日に始まり、経済活動の正常化が進みやすくなるとの見方から買いが優勢となったが、米国の追加経済対策を巡る協議で目立った進展がみられず、相場の上値は重かった。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は4日続伸し、前日比62.828pt(0.5%)高の12,582.774ptと連日で過去最高値を更新した。
本日の香港市場でハンセン指数は反発か。前日の米株式市場の上昇を支えに、足元で調整気味だった香港市場にも押し目買いが入りやすいタイミングと思われる。本日は日本時間10:30に中国の11月物価統計が発表される予定。市場では消費者物価指数が前年比横ばい(10月は同0.5%増)、生産者物価指数が同1.8%減(10月は同2.1%減)と予想されている。今回は消費者物価指数(CPI)について、市場の一部に2009年以来のマイナスとなる可能性を指摘する向きもあるようだ。金融政策に影響を及ぼす可能性は低いものの、注目が集まりそうだ。
(マーケット支援部 井上)
【中国本土市況】もみ合い展開を想定。アップル関連に注目か
8日の中国・上海株式相場は小幅に続落。上海総合指数の終値は前日比6.4266pt(0.18%)安の3,410.1771ptだった。ポンペオ米国務長官が7日、香港の民主派を弾圧しているとして中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の常務委員会幹部14人を制裁対象に指定したと発表。米国の政権移行期に入ってからも対中圧力強化の動きが続いており、米中対立の長期化を警戒した売りに押された。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで66億7600万元の買い越し。個別では、ラックスシェア(002475)、美的集団(000333)、宜賓五糧液(000858)、貴州茅台酒(600519)、恒生電子(600570)などが買い越しとなり、ハイクビジョン(002415)、京東方科技(000725)、中国中免(601888)などが売り越しだった。
本日の中国本土市場はもみ合いか。米アップルは8日、同社初となるワイヤレスヘッドホン「AirPods Max(エアーポッズ マックス)」を15日に発売すると発表した。現地では、ゴ―テック(002241)などが生産に携わっているのではとの見方が出ているよう。関連銘柄に注目が集まる流れとなりそうだ。
(マーケット支援部 井上)