2日の香港株式市場は小幅に反落した。ハンセン指数の終値は前日比35.10pt(0.13%)安の26,532.58ptだった。約31億米ドルの増資を発表したスマートフォンの小米集団(01810)など、大型の増資や新規株式公開(IPO)が相次いでおり、相場の重荷となった。半面、新型コロナウイルス向けワクチンの実用化が近づいているとの期待から、金融や石油株などに買いが入り、指数は上昇に転じる場面もあった。ハイテク関連の30銘柄で構成するハンセンテック指数は3日続落し、前日比1.71%安だった。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで43億9200万香港ドルの買い越しだった。
2日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、前日比59ドル87セント(0.2%)高の29,883ドル79セントで終えた。新型コロナウイルスのワクチン実用化が世界経済の正常化を後押しするとの見方から景気敏感株が買われた。追加の経済対策を巡る与野党協議が進展するとの期待も相場を支えた。今年に入って上昇が大きかったハイテク株を売る選別物色の動きがみられた。電気自動車(EV)のテスラなどの下げが目立った。
本日の香港株式市場は、個別物色中心の動きになろう。英政府の新型コロナウイルスのワクチン使用承認を受け、ワクチン普及による経済正常化を期待した買いが優勢となりそうだ。ただ、香港株式市場において増資計画が相次ぐ中、マーケットの需給悪化が警戒される流れも続きそうだ。
(マーケット支援部 床井)
上値を試す動きとなるか
2日の中国・上海株式市場は小幅に反落した。上海総合指数の終値は前日比2.5579pt(0.07%)安の3449.3805ptだった。指数が前日に年初来高値を更新した反動で、いったん利益を確定しようとする売りが優勢となった。ただ、中国国内の景気回復期待を背景に中長期的な相場の先高観は根強く、上海株は一進一退だった。大型株で構成する上証50指数が0.24%安となるなど、オールドエコノミー型の大型株に売りが出た。半面、新興企業向け市場「科創板」の50銘柄で構成する「上証科創板50成分指数」は前日比0.30%高で、中芯国際集成電路制造(SMIC、688981)をはじめハイテク株は買われた。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで40億2500万元の売り越しだった。個別では、三一重工(600031)、恒生電子(600570)、北京兆易創新科技(603986)などが買い越しとなり、貴州茅台酒(600519)、中国中免(601888)、格力電器(000651)、京東方科技集団(000725)、ラックスシェア(002475)などが売り越しとなった。
本日の中国株式市場は、確りの展開か。新型コロナウイルス向けワクチンの早期普及への期待や、中国国内で好調な経済指標の発表が続いていることから、投資家心理の改善につながろう。再び年初来高値の更新となるか注目したい。
(マーケット支援部 床井)