30日の香港株式相場は7営業日ぶりに反落した。ハンセン指数の終値は前週末比553.19pt(2.05%)安の26,341.49ptだった。相場が約9カ月ぶりの高値圏にあり、過熱感を警戒する売りが幅広い銘柄に出た。米株価指数先物の下落に連れ安し、ハンセン指数は午後に入って下げ幅を一段と拡大した。
ハイテク関連の30銘柄で構成するハンセンテック指数は3日ぶりに反落し、同0.87%安の8,019.36ptとなった。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで49億9600万香港ドルの買い越しだった。
30日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、前週末比271ドル73セント(0.9%)安の29,638ドル64セントで終えた。相場が過去最高値圏にあるうえ、月末とあって利益確定や持ち高調整の売りが優勢となった。上昇が目立っていた資本財や金融などの景気敏感株を中心に幅広い銘柄に売りが出た。米国の新型コロナウイルス感染拡大への警戒感も相場の重荷となった。また、トランプ政権が中国の半導体受託生産大手や石油企業などを株式取得などの規制対象にすると伝わったことも投資家心理を冷やした。ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は小幅に5日続伸。前週末比11.086pt高の12,216.932ptと過去最高値を上回った。
本日の香港株式市場は、域内の新型コロナウイルス感染再拡大が不安視される中、日中を通じて軟調に推移しそうだ。香港当局は、12月2日から域内学校で対面授業を停止すると発表した。足元では約9カ月ぶりの高値水準を回復していることもあり、利益確定売りが意識される流れとなろう。
(マーケット支援部 床井)
上値に対して慎重な動きが続く展開か
30日の中国・上海株式相場は3日ぶりに反落した。上海総合指数の終値は前週末比16.5520pt(0.48%)安の3,391.7551ptだった。中国国内景気の回復期待から買いが先行したが、指数が一時、3,456ptまで上げて年初来高値(8月18日の3,451pt)を上回ると、高値警戒感が強まった。午前は買いが先行した大型株が相次いで下落し、指数は午後に下げに転じた。金融株や不動産株、電力株など大型株が売られた。朝方発表の中国の11月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は市場予想を上回ったが、好感した買いは続かなかった。レアアース(希土類)の中国北方稀土(集団)高科技(CNREG.600111)は続落。中国政府が12月から施行する輸出規制にレアアースが含まれれば製品価格がつり上がるとの思惑から秋以降に買われてきたが、利益確定売りが優勢だった。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで49億3900万元の買い越しだった。個別では、京東方科技集団(000725)などが買い越しとなり、貴州茅台酒(600519)、江蘇恒瑞医薬(600276)、上海汽車集団(600104)、ラックスシェア(002475)などが売り越しとなった。
本日の中国本土株式市場は、積極的に買い上がる材料に乏しく、上値に対して慎重な動きが続きそうだ。ただ、中国国内景気が改善していることから市場全体は大きく崩れることはなかろう。
(マーケット支援部 床井)