4日の香港株式相場は3営業日ぶりに反落した。ハンセン指数の終値は前日に比べ53.59pt(0.21%)安の24,886.14ptだった。アリババ集団傘下の金融会社アント・グループが5日に予定していた上場を延期すると3日夜に発表した。出直し上場するとしても半年以上先になると見られ、同社の新規株式公開(IPO)に関連する銘柄が売られて相場の重荷となった。アント上場を逃した香港取引所は1.7%安、アントIPOの幹事会社のひとつだった投資銀行の中国国際金融(CICC)は6.5%安で終えた。また、中国で個人向け融資事業への規制が強化されるとの見方から、中国ネットサービスの騰訊控股(テンセント)が売られた。一方、中国本土市場への重複上場計画はないと表明した出前アプリの美団が上場来高値を更新した。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで77億8900万香港ドルの買い越しだった。
4日の米株式相場は3日続伸した。ダウ工業株30種平均は前日比367ドル63セント(1.3%)高の27,847ドル66セントで終えた。3日の米大統領・議会選挙で共和党が予想以上に健闘し、上院での多数派を維持するとの観測が強まった。民主党が掲げてきた規制強化などの政策リスクが後退するとの見方から、ハイテクやヘルスケア株が買われ、相場を押し上げた。ダウ平均は昼過ぎに821ドル高を付ける場面があったが、その後は引けにかけて伸び悩んだ。大統領選の結果確定に時間がかかるとの見方が広がったのも、上値を抑えたようだ。
本日の香港株式市場は、前日の米国株式相場の上昇を受けて、底堅い展開となろう。開票が進む中、共和党が上院の過半数を維持する可能性が高まった。民主党が掲げる規制強化などの政策リスクが回避されるとの思惑で、ハイテク株を中心に買いが入り、底堅い展開となろう。
(マーケット支援部 床井)
政策期待が支え、確りとした展開か
4日の中国・上海株式相場は小幅に3日続伸した。上海総合指数の終値は前日比6.3658pt(0.19%)高の3,277.4402ptだった。4日発表の10月の財新中国非製造業購買担当者景気指数(PMI)が前月から改善し、中国景気の回復観測が強まった。 香港との証券相互取引を利用した海外投資家による中国株売買は朝方に売り越しが目立っていたが、午後に買い越しに転じ、投資家心理を改善させた。アジア時間4日に米大統領選の開票作業が進むなか、投資家の様子見姿勢も強く、上海総合指数は下げに転じる場面もあった。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで2億3600万元の買い越しだった。個別では、中国中免(601888)、伊利実業集団(600887)、格力電器(000651)、ラックスシェア(002475)などが買い越しとなり、貴州茅台酒(600519)、宜賓五糧液(000858)、ハイクビジョン(002415)などが売り越しとなった。本日の中国本土市場は、確りとした展開を予想する。第14次五カ年計画で、習近平・国家主席が「2035年までに経済規模を倍増させることは可能」と述べたことを明らかにしたことが投資家の買い安心感につながろう。また、バイデン氏の政策スタンスにより、通商対立の緩和が期待されることもポジティブ材料として意識される可能性もあろう。
(マーケット支援部 床井)