5日の香港株式相場は大幅に反発。ハンセン指数の終値は前日比809.78pt(3.25%)高の25,695.92ptと、7月13日以来およそ4カ月ぶりの高値を付けた。4日の米国株式市場でハイテク株が大幅高となった流れを引き継ぎ、香港市場でも時価総額の大きいハイテク株を中心に買いが入り、ハンセン指数を構成する50銘柄すべてが上昇する全面高の展開となった。投開票作業が進行中の米大統領選を巡っては、民主党のバイデン前副大統領の優勢が伝わった。どちらの候補者が勝利した場合でも米国の対中強硬姿勢は続くとの見方が多いが、バイデン氏勝利の場合は若干の関係改善が見込まれるとの期待もあり、投資家心理の改善につながった。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで16億5200万香港ドルの買い越しだった。
5日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4日続伸し、前日比542ドル52セント(1.9%)高の28,390ドル18セントで取引を終えた。接戦となっている米大統領選の勝敗が近く判明する見通しが広がった。米政治の不透明感が後退し、投資家が運用リスクを取る姿勢を強めた。米議会上院で共和党が多数派を維持する見通しで、民主党が掲げていた規制強化への警戒感が和らいだこともハイテク株への買いを誘い、上げ幅は一時600ドルを超えた。米連邦準備理事会(FRB)は5日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で現在の金融緩和策の維持を決定。低金利環境が長期化するとの思惑も、株式相場を押し上げた。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も4日続伸し、前日比300.15pt(2.6%)高の11,890.93ptで取引を終えた。
本日の香港市場でハンセン指数は続伸か。米議会上院選で共和党が多数派を維持する見込みとなり、民主党がかかげる大手IT(情報技術)企業に対する規制強化への警戒が和らいだことから米国市場でハイテク株が買われており、香港市場もハイテク株中心に堅調な展開となろう。また、米大統領選でバイデン氏が優勢と伝わる中、同氏の政策スタンスで、米中通商対立が緩和されるとの思惑の高まりも支えとなろう。ハンセン指数は8月末の水準である25,847pt更新を目指す動きとなりそうだ。
(マーケット支援部 井上)
確りか。通貨高を背景に、海外投資資金の流入期待が高まりそうだ
5日の中国本土株式市場は4日続伸。上海総合指数の終値は前日比42.6931pt(1.30%)高の3,320.1333ptと、節目の3,300を上回り、10月21日以来約2週ぶりの高値となった。米大統領選ではバイデン前副大統領の優勢が伝わっており、当選すれば米中関係が改善に向かうとの期待が高まった。人民元高などを背景に、海外資金の流入観測も投資家心理の支えとなった。中国指導部は今後の経済運営で、環境対策として新エネルギー分野に重点を置いたことを受け電気自動車(EV)など環境車の普及が加速するとの思惑が強まり、自動車関連株が急伸。同じく政策期待の高まりから通信機器や電子部品、半導体関連株が高かったほか、「独身の日」セール期間中の売れ行き期待で、酒造や食品、家電株が堅調だった。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで109億9700万元の買い越し。個別では、格力電器(000651)、宜賓五糧液(000858)、ラックスシェア(002475)、京東方科技(000725)、貴州茅台酒(600519)、上海汽車集団(600104)、中国中免(601888)、恒生電子(600570)、伊利実業集団(600887)などが買い越しとなり、ハイクビジョン(002415)などが売り越しとなった。
本日の中国本土市場は確りの展開か。第14次五カ年計画(2021~25年)や2035年までの長期目標などに関する基本方針が確認されたことで、中国の政策に対する期待感が高まっていることに加え、人民元高の進行も追い風となりそうだ。昨日の上海外国為替市場では元高の動きが加速し、人民元は対米ドルで約2年4カ月ぶりの水準となった。ストックコネクトを通じた海外投資家の売買動向も109億元超の買い越しとなっており、通貨高を背景に、海外投資資金の流入期待が高まりそうだ。
(マーケット支援部 井上)