2日の香港株式市場は小幅反落。ハンセン指数の終値は前日比64.76pt安の25,120.09ptだった。世界や香港域内の景気回復に不透明感が根強いなか、投資家が銘柄選別の動きを強めた。金融や資源など「オールドエコノミー」への売りが目立った一方、新型コロナウイルスの影響を受けにくいとされるネット関連株は高く、相場の下値を支えた。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで40億2800万香港ドルの買い越しだった。
2日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸。前日比454ドル84セント高の29,100ドル50セントで取引を終えた。上げ幅は一時500ドルを超えた。2日発表の米経済統計を受けて景気回復が続いているとの見方が強まり、主力ハイテク株に比べ出遅れていた銘柄が幅広く買われた。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は4日続伸し、終値が12,056.44ptと、初めて12,000pt台に乗せて取引を終えた。
本日の香港市場でハンセン指数は戻りを試す展開か。景気回復期待から米株式市場が大きく上昇しており、香港市場もその流れを引き継ごう。昨日の香港市場では、中国建設銀行(00939)が4年ぶりの安値を付け、中国工商銀行(01398)や中国人寿保険(02628)、英金融HSBC(00005)など金融株が売られた一方で、中国ネット通販のアリババ集団(09988)や京東集団(JDドットコム、09618)、出前アプリの美団点評(03690)、スマートフォンの小米集団(シャオミ、01810)が上場来高値を更新するなど、銘柄選別の動きが強まった。金融株については、新型コロナの影響による中国の銀行の不良債権増加が報じられていることから、本日もネット関連など、新型コロナの影響を受けにくいとされる銘柄の物色が中心となりそうだ。経済指標では、日本時間10時45分に8月の財新中国非製造業購買担当者景気指数(PMI)が発表される予定。1日発表の製造業PMIの改善は中国景気の回復期待に繋がっており、非製造業PMIでも景況感の改善が示されるか注目されそうだ。
(マーケット支援部 井上)
もみ合いか。ストックコネクトの売買動向がポイントも個別銘柄の選別物色は継続か
2日の中国本土株式市場で、主要指数はまちまちの動き。上海総合指数の終値は前日比5.8051pt安の3,404.8017pt、深セン成分指数の終値は同37.768pt高の13,887.425ptだった。上海総合指数は節目の3,400ptを上回る水準とあって、短期的な利益を確定する目的の売りが優勢だった。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引が上海、深セン合わせて成約ベースで66億1400万元の売り越しとなり、短期的な資金流出への警戒も相場の重荷となった。ストックコネクト取引では、ラックスシェア(002475)、格力電器(000651)、歌爾(002241)、江蘇恒瑞医薬(600276)、三一重工(600031)などが買い越しとなり、宜賓五糧液(000858)、京東方科技(000725)、貴州茅台酒(600519)、中国中免(601888)、伊利実業集団(600887)、海天調味食品(603288)などが売り越しとなった。
本日の中国本土市場はもみ合いか。ストックコネクト取引を通じた海外投資家の売買動向がポイントとなろう。一方で、個別銘柄の選別物色中心の展開は継続か。昨日は、肝機能を強化する漢方薬を作るショウ州片仔コウ薬業(600436)や大手醤油メーカーの海天調味食品(603288)、福建省地盤の民営有力スーパーの永輝超市(601933)など、知名度の高い好業績銘柄が堅調な動きとなった。個人投資家の多い市場なだけに、値動きのいい銘柄に資金が集まる流れは続くと思われる。
(マーケット支援部 井上)