24日の香港株式市場は続伸。ハンセン指数の終値は前週末比437.74pt高の25,551.58ptと、7月21日以来約1カ月ぶりの高値となった。トランプ米政権が対話アプリ「微信(ウィーチャット)」について、米企業による中国での使用を容認する方針を検討していると伝わり、中国ハイテク企業への米制裁に対する過度な警戒が後退。ウィーチャットを運営する騰訊控股(テンセント)など大型ネット株に買い安心感が広がった。米株価先物の上昇も追い風となり、ハンセン指数はこの日の高値で取引を終えた。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで29億7100万香港ドルの買い越しだった。
24日の米株式市場は3日続伸。ダウ工業株30種平均は前週末比378ドル13セント高の28,308ドル46セントと、2月21日以来ほぼ半年ぶりの高値で取引を終えた。米食品医薬品局(FDA)が23日に新たなコロナの治療法を特別認可したのを受け、コロナ対策が進んで経済が正常化に向かうとの期待から買いが優勢となった。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は同67.92pt高の11,379.72ptと連日で過去最高値を更新。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も同34.12pt高の3,431.28ptと初めて節目の3,400ptを上回って終えた。
25日の香港市場でハンセン指数は続伸か。前日の米株式相場が大幅上昇した流れを受け、香港市場でも買いが先行しよう。ハイテク株に加えて経済正常化に向けた期待感から景気敏感株にも買いが広がれば、ハンセン指数の上値余地も広がりそうだ。
(マーケット支援部 井上)
良好な地合いを想定。好決算銘柄に注目が集まろう
24日の中国本土株式市場は小幅に続伸した。上海総合指数の終値は前週末比4.9558pt高の3,385.6383pt、深セン成分指数の終値は同188.693pt高の13,666.692ptだった。中国景気の回復期待を背景に、酒造など消費関連株を中心に買いが入った。一方、上海総合指数は節目の3,400pt近辺では目先の利益を確定する売りも出て上値を抑えた。中国・深セン証券取引所が24日に取引ルールを緩和した新興企業が主体の「創業板」指数は大幅に続伸し、1.98%高となった。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで19億4800万元の買い越し。個別では、宜賓五糧液(000858)、貴州茅台酒(600519)、三一重工(600031)、伊利実業集団(600887)などが買い越しとなり、ラックスシェア(002475)、歌爾(002241)、格力電器(000651)、中国中免(601888)などが売り越しとなった。
本日の中国本土市場は、外部環境好転で良好な地合いが想定される中、好業績銘柄を選別物色する動きとなりそうだ。中国の電子機器受託製造サービス(EMS)大手、ラックスシェア(002475)が24日に発表した2020年1~6月期の純利益は25億元と、前年同期比69%の増加となった。米アップルのワイヤレスイヤホン「エアーポッズ」などの生産が伸び、業績の急拡大につながった。同社はアップル製品の生産受託をさらに広げる方針も伝わっている。好決算銘柄に注目が集まりそうだ。
(マーケット支援部 井上)