21日の香港株式市場は反発。ハンセン指数の終値は前日比322.45pt高の25,113.84ptと、節目の25,000pt台を回復した。20日の米株式市場の上昇や、このところ香港域内での新型コロナウイルス新規感染者数が減少傾向にあることを受け、投資家が運用リスクをとる姿勢を強めた。香港不動産株やマカオ旅行客数の底入れを好感したマカオカジノ株の上げが目立った。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで16億4900万香港ドルの買い越しだった。
21日の米株式相場は続伸し、ダウ工業株30種平均は前日比190ドル60セント高の27,930ドル33セントで取引を終えた。スマートフォンのアップルが5%を超える大幅高となり、相場上昇をけん引した。米経済指標の改善で景気への過度な懸念が薄れ、景気敏感株が買い直されたのも相場を支えた。
今週の香港市場は底堅い推移を想定。今週にも米中協議が開催される可能性があるが、大きな進展はみられないだろう。むしろ、8月21日~24日に予定される米共和党全国大会でトランプ米大統領が中国企業に対する更なる規制強化を打ち出す可能性には、注意が必要か。ただその場合でも、中国金融当局は金融緩和等を実施し、過度な株価下落を回避すると思われる。香港市場への影響も限定的となろう。
(マーケット支援部 井上)
確りの展開か。内需関連株中心に底堅い推移を見込む
21日の中国本土株式市場は反発。上海総合指数の終値は前日比16.7837pt高の3,380.6825pt、深セン成分指数は同157.076pt高の13,477.999ptだった。上海総合指数は20日までの続落で2.5%下落しており、21日は香港株式相場の上昇も投資家心理の支えとなって値ごろ感からの買いが入った。上海と深セン市場の売買代金は計8400億元強と、前日に続き1兆元を下回った。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで11億2600万元の買い越し。個別では、ラックスシェア(002475)、歌爾(002241)、宜賓五糧液(000858)、格力電器(000651)、貴州茅台酒(600519)、江蘇恒瑞医薬(600276)などが買い越しとなり、中国中免(601888)、伊利実業集団(600887)などが売り越しとなった。
今週の中国本土市場は確りの展開か。8月末にかけて主要企業の決算発表が相次ぐ予定。景気回復期のため、業績見通しに強気なコメントが出ることも想定され、株価を下支えよう。内需関連株中心に底堅く推移すると見込まれる。
(マーケット支援部 井上)