27日の香港株式相場は続落。ハンセン指数の終値は前週末比102.07pt安の24,603.26ptと、6月30日以来約1カ月ぶりの安値となった。米国がテキサス州ヒューストンの中国総領事館の閉鎖を要求した対抗措置として、中国の四川省成都市にある米総領事館も27日に閉鎖され、米中関係の悪化懸念が強まった。香港では新型コロナウイルスの新規感染者が連日で100人を上回り、景気の先行き不透明感も相場の重荷となった。27日から算出・公表を開始したハイテク関連の30銘柄で構成するハンセンテック指数の初日の終値は1.28%安の6774.78pt。ウエートの大きい中国ネットサービスの騰訊控股(テンセント、00700)や出前アプリの美団点評(03690)、スマートフォンの小米(シャオミ、01810)の下落が指数を押し下げた。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで18億5000万香港ドルの買い越しだった。
27日の米株式相場は3営業日ぶりに反発。ダウ工業株30種平均は前週末比114ドル88セント高の26,584ドル77セントで取引を終えた。米政府による追加の経済対策への期待に加え、コロナワクチンの開発前進を好感した買いが入った。アナリストの目標株価引き上げなどで主力ハイテク株も総じて買われた。
本日の香港市場でハンセン指数は反発か。前日の米株式市場で主要ハイテク株が反発した流れを引き継ぎ、香港市場でもハイテク株を中心に買いが入り相場を押し上げよう。香港政府は27日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、29日から飲食店やフードコートでの食事を全面的に禁止すると発表した。域内経済活動の停滞懸念が高まりやすいところと思われるが、ワクチン開発の進展期待が相殺する流れとなりそうだ。
(マーケット支援部 井上)
こじっかりの展開を想定。値ごろ感に注目した買いが支える展開か
27日の中国本土株式相場は3営業日ぶりに小反発。上海総合指数の終値は前週末比8.4584pt高の3,205.2268pt、深セン成分指数の終値は同41.171pt高の12,976.867ptだった。上海総合指数は前週末に割り込んだ心理的な節目の3,200pt台を回復した。指数は前週末に急落した後だけに、値ごろ感に注目した買いが優勢となったが、米中対立への懸念は根強く、前週末終値を挟み小幅なレンジで一進一退の展開となった。上海・深セン両市場を合わせた売買代金は9316億元と、節目の1兆元を下回った。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで15億1400万元の売り越し。個別銘柄では、ラックスシェア(002475)、宜賓五糧液(000858)、ハイクビジョン(002415)、格力電器(000651)、貴州茅台酒(600519)、伊利実業集団(600887)、恒生電子(600570)などが買い越しとなり、中国中免(601888)、江蘇恒瑞医薬(600276)などが売り越しとなった。
本日の中国本土市場はこじっかりの展開を想定。米中対立への懸念は上値抑制要因となろうが、根強い政策期待を背景に値ごろ感に注目した買いが支える展開となりそうだ。
(マーケット支援部 井上)