21日の香港株式市場でハンセン指数は反発。終値は前日比577.67pt高の25,635.66ptだった。香港市場で株価指数を算出する恒生指数(ハンセン・インデックス)社が20日、香港上場のハイテク関連30銘柄で構成する「ハンセンテック指数」の算出・公表を27日から開始すると発表した。「香港版ナスダック」とも称される指数で、構成銘柄に採用された銘柄を中心にハイテク株が急伸。香港市場への資金流入期待も高まり、ハンセン指数は終日、堅調に推移した。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで51億1600万香港ドルの買い越しだった。
21日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、前日比159ドル53セント高の26,840ドル40セントで取引を終えた。欧州連合(EU)の首脳会議が21日、新型コロナウイルスに関する復興基金案で合意し、欧州の景気の持ち直しにつながるとの見方が投資家心理を改善させた。銀行や石油など業績が景気変動の影響を受けやすい景気敏感株が買われた一方で高値警戒感が根強いハイテク株には売りが出て、取引終了にかけては上げ幅を縮めた。
本日の香港市場はもみ合いか。昨日大きく上昇したこともあり、利益確定売りが上値を抑えよう。昨日発表されたハンセンテック指数について市場の一部では、新指数の導入で香港上場のハイテク株に対する投資家の関心が高まり、米ナスダック市場への投資が一部香港市場に分散される可能性が指摘されているようだ。今後は指数連動商品の増加や、それに伴う香港市場の売買代金の増加などが予想されるほか、中国IT企業などにとっても香港上場の魅力が増すといった見方もできよう。上海証券取引所のハイテク新興企業向け市場「科創板」が本日取引開始から1年を迎えることもあり、中国ハイテク株への市場の注目度が高まる流れは続きそうだ。
(マーケット支援部 井上)
こじっかりの展開か。「科創板50成分指数」発表予定
21日の中国本土株式相場は小幅に3日続伸。上海総合指数の終値は前日比6.7457pt高の3,320.8947pt、深セン成分指数の終値は同87.324pt高の13,536.173ptだった。金融管理当局による規制緩和などを背景に中国本土株相場の先高観は根強く、前日に下げた業種を中心に押し目買いが入った一方で、上海総合指数は節目の3,300を上回る水準では利益確定売りも出て上値が抑えられた。動意に欠ける展開が続き、同指数の日中値幅は36ptと6月30日以来およそ3週間ぶりの小ささだった。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで30億1200万元の売り越し。個別では、ラックスシェア(002475)、格力電器(000651)、ハイクビジョン(002415)、貴州茅台酒(600519)、江蘇恒瑞医薬(600276)、伊利実業集団(600887)などが買い越しとなり、宜賓五糧液(000858)、恒生電子(600570)、中国中免(601888)などが売り越しとなった。
本日の中国本土市場はこじっかりの展開か。上海証券取引所と中証指数有限公司は、科創板上場銘柄のパフォーマンスを速やかに反映し、市場に投資先と業績基準を提供するため、本日の取引終了後に「科創板50成分指数」の過去の市況を発表し、明日23日から正式にリアルタイムの市況を発表する予定。また、上海証券取引所は中国経済でハイテク企業の存在感が急速に増していることを反映させるため、上海総合指数の全面的な見直しを検討しているとも伝わっている。中国本土市場でもハイテク株に注目が集まりそうだ。
(マーケット支援部 井上)