20日の香港株式相場は小幅に反落。ハンセン指数の終値は前週末比31.18pt安の25,057.99ptだった。香港や米国での新型コロナウイルス感染者の再拡大で、経済活動の正常化が遅れることへの警戒が相場の重荷となった。一方で、中国の金融当局が保険会社の株式保有上限を引き上げたことを好感し、中国本土の株式相場が20日に大幅に上昇。当局が緩やかな株高を望んでいるとみられることは投資家心理の支えとなり、香港市場で相場の下げは限られた。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで45億2700万香港ドルの買い越しだった。
20日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小幅に3営業日ぶりに反発し、前週末比8ドル92セント高の26,680ドル87セントで取引を終えた。決算発表が近づき、業績期待の高い大型ハイテク株が買われ相場上昇をけん引した。ただ、米国で新型コロナの新規感染者数が高止まりしており、米経済への懸念が上値を抑えた。
本日の香港市場はハイテク株中心に戻りを試す動きを想定。米国市場でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数が過去最高値を更新した流れが香港市場でも素直に好感されよう。株価指数を算出する恒生指数(ハンセン・インデックス)社は20日、香港上場のハイテク関連30銘柄で構成する「ハンセンテック指数」の算出・公表を27日に始めると発表した。同指数は電子商取引(EC)のアリババ集団(09988)やインターネットサービスの騰訊控股(テンセント、00700)など中国を代表する成長企業で構成される。
米国のハイテク企業が上場するナスダック市場は世界中から資金が集まり、ナスダック総合指数は過去最高値圏にある中、恒生指数社や香港市場関係者は香港版ナスダック指数をてこに、グローバル市場での存在感を高める狙いとされている。指数採用が伝わる銘柄を中心に堅調な展開が期待できそうだ。
(マーケット支援部 井上)
政策期待を背景にした堅調な相場展開が継続か
20日の中国本土株式相場は大幅に続伸。上海総合指数の終値は前週末比100.0203pt高の3,314.1490pt、深セン成分指数の終値は同333.911pt高の13,448.849ptと、ともにこの日の高値で取引を終えた。金融監督当局が保険会社による株式保有の上限を引き上げたことを受け、株式市場への資金流入が続くとの期待が高まった。当局が緩やかな株高を望むとの受け止めにもつながり、幅広い銘柄に押し目買いが優勢となった。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで58億9900万元の売り越しだった。個別では、格力電器(000651)、三一重工(600031)、江蘇恒瑞医薬(600276)などが買い越しとなり、宜賓五糧液(000858)、ラックスシェア(002475)、歌爾(002241)、貴州茅台酒(600519)、中国中免(601888)、伊利実業集団(600887)などが売り越しとなった。
本日の中国市場は堅調な展開を想定。昨日は保険会社の株式投資比率上限緩和やインフラプロジェクト加速指示などが好感されたが、現地では株式市場は緩やかな上昇基調が続くとの論調が増えているよう。政策期待を背景に堅調な相場展開が続きそうだ。
(マーケット支援部 井上)