22日の香港株式市場でハンセン指数は反落。終値は前週末比132.55pt安の24,511.34ptだった。米国の一部地域などでの新型コロナウイルス「第2波」の拡大懸念が根強く、幅広い銘柄に売りが出た。世界景気の回復が遅れるとの懸念が強まり、指数は午後にやや下げ幅を広げた。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで7億7800万香港ドルの買い越しだった。
22日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反発し、前週末比153ドル50セント高の26,024ドル96セントで取引を終えた。新型コロナウイルス感染の再拡大への警戒感から売りが先行した。ただ、業績がコロナの影響を受けにくい主力ハイテク株が成長期待の買いで上げると投資家心理が好転。ダウ平均は午後に明確に上昇に転じた。ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は7日続伸し、前週末比110.35pt高の10,056.47ptで取引を終え、約2週間ぶりに過去最高値を更新した。
本日の香港市場でハンセン指数は高寄り後方向感に乏しい展開を想定。米ハイテク株の上昇を受け、香港市場でもハイテク関連中心に買い先行の展開となりそうだ。一方で、香港情勢を巡る動きについては警戒が必要か。今月28~30日に開かれる中国の国会に相当する全国人民代表大会(全人代)常務委員会で可決される可能性が伝わる「香港国家安全維持法案」が外国人にも適用されるとの見方が報じられている。実際に適用となれば、アジアの金融・ビジネスセンターとして外資系企業が多数進出している香港について、運用面で世界的に懸念が高まる可能性が出てくることが予想されよう。警戒材料として意識されそうだ。
(マーケット支援部 井上)
しっかりの展開か。証券市場活性化への期待が投資家心理の下支え
22日の中国本土株式市場で主要株価指数はまちまちの展開。上海総合指数の終値は前週末比2.3624pt安の2965.2717pt、深セン成分指数の終値は同34.308pt高の11,702.441ptだった。時価総額の大きい主力株を中心に利益確定売りが優勢となった一方で、上海証券取引所が19日に上海総合指数の全面的な見直しを実施すると発表し、市場が活性化するとの期待が投資家心理を支えた。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで21億8100万元の買い越し。個別では、ラックスシェア(002475)、江蘇恒瑞医薬(600276)、伊利実業集団(600887)、中国国旅(601888)などが買い越しとなり、宜賓五糧液(000858)、格力電器(000651)、貴州茅台酒(600519)などが売り越しとなった。
本日の中国本土市場は、しっかりの展開か。引き続き証券市場活性化への期待が投資家心理の下支えとなりそうだ。
(マーケット支援部 井上)