19日の香港株式市場は反発。ハンセン指数の終値は前日比178.95pt高の24643.89ptと、10日以来の高値となった。中国本土株が午後に上げ幅を拡大し、投資家心理を上向かせた。不動産などの香港銘柄を中心に出遅れ感を意識した買いが入り、指数は一時300ポイント超上げた。株式取引の活発化を期待し、香港取引所(00388)が2018年1月以来約2年5カ月ぶりの高値を付けたほか、 中国ネットサービスの騰訊控股(テンセント、00700)は2年3カ月ぶりの高値水準を回復。ネット通販のアリババ集団(09988)、出前アプリの美団点評(03690)なども買われた。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで21億2400万香港ドルの買い越しだった。
19日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続落。前日比208ドル64セント安の25871ドル46セントで取引を終えた。米中関係の改善期待から朝方は買いが先行したが、米南部や西部を中心に新型コロナウイルスの感染が再拡大し、米経済の正常化が遅れるとの懸念が次第に強まり、ダウ平均は午後に下げに転じた。
本日の香港市場でハンセン指数は反落か。先週末の米国市場が下落したことや時間外取引の米株価先物指数が軟調な展開となっていることを受け、売り先行のスタートが予想される。中国国営の新華社は21日、中国の国会に相当する全国人民代表大会(全人代)常務委員会を28~30日の日程で開くと伝えた。これにより、中国政府が香港で統制を強める「香港国家安全法案」の審議を行い、香港が英国から中国に返還された記念日である7月1日までに同法案を成立させるとの見方が出ているようで、こちらも投資家心理の重荷となりそうだ。今週は25日が端午節で香港市場は休場となる。動きづらい展開となりそうだ。
(マーケット支援部 井上)
もみ合いか。科創板指数算出報道で、ハイテク株に注目が集まる流れも
19日の中国株式市場は続伸。上海総合指数の終値は前日比べ28.3190pt高の2967.6341pt、深セン成分指数の終値は同173.579pt高の11668.133ptだった。指数算出会社FTSEが19日の取引終了後に中国株の指数組み入れ比率を引き上げるため、海外資金流入への期待が相場を押し上げた。大引けにかけて買いが集まり、指数は一段高となった。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで182億3300万元の買い越し。個別では、宜賓五糧液(000858)、美的集団(000333)、ハイクビジョン(002415)、貴州茅台酒(600519)、江蘇恒瑞医薬(600276)、伊利実業集団(600887)、中国国旅(601888)などが買い越しとなり、格力電器(000651)などが売り越しとなった。
本日の中国本土株式市場は高値圏でのもみ合いを想定。上海証券取引所と株価指数の算出・発表を手掛ける中証指数は19日、同取引所のハイテク・イノベーション関連企業に特化した市場「科創板(スター・マーケット)」に株価指数「科創板50成フン指数」を創設すると発表した。科創板に上場する企業のうち、市場価値や流動性の大きさから50社を選出し、23日からはリアルタイムで指数を公表していくとしている。指数算出の開始は市場の活性化期待を醸成すると思われ、ハイテク関連銘柄に注目が集まる流れに繋がりそうだ。今週は、25~26日に中国本土市場(上海・深セン)は休場となる。週末にかけては海外投資家による売買が細る可能性が高く、膠着感が強まる可能性は留意しておきたい。
(マーケット支援部 井上)