18日の香港株式相場は小幅に反落。ハンセン指数の終値は前日比16.47pt(0.06%)安の24464.94ptだった。中国や米国での新型コロナウイルスの感染「第2波」への警戒から売りが出た。米中の外交トップによる会談について両国が対話を継続する方針が伝わり、米中対立への過度な懸念が一服して次第に下げ幅を縮めた。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで23.81億香港ドルの買い越しだった。
18日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小幅に続落し、前日比39ドル51セント(0.2%)安の26080ドル10セントで取引を終えた。新型コロナウイルスの感染「第2波」への懸念が重荷だった。週間の米新規失業保険申請件数が市場予想を上回ったのも売りを誘った。ただ、米景気が回復に向かうとの見方までは崩れておらず、下値は堅かった。
本日の香港市場は方向感に乏しい展開か。米株式市場でダウ工業株30種平均は小幅に続落したものの、景気回復への期待は崩れていないと思われる。一方で、中国の国会にあたる全国人民代表大会(全人代)が18日に常務委員会を開き、香港で反体制活動を禁じる「香港国家安全法」の審議に入ったことは、警戒材料として意識されよう。材料の出た個別銘柄を選別物色する動きが強まりそうだ。
(マーケット支援部 井上)
堅調な展開か。景気支援策への期待は継続
18日の中国本土株式市場は小幅続伸。上海総合指数の終値は前日比3.4421pt(0.11%)高の2939.3151pt、深セン成分指数の終値は同73.718pt(0.64%)高の11494.554ptだった。上海市で開幕した金融フォーラムで複数の政府高官による景気改善の見方や金融市場の発展方針が示され、投資家心理が上向いた。 中国メディアの報道によると、18日開幕の第12回陸家嘴フォーラムでは、劉鶴副首相が中国の経済状況が徐々に改善していると述べたほか、中国証券監督管理委員会(証監会、CSRC)の易会満主席ら金融当局のトップが市場改革方針などを示した。米中外交トップ会談が順調に進んだとの報道も買い安心感を誘った。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで49.57億元の買い越し。個別では、ラックスシェア(002475)、貴州茅台酒(600519)、恒生電子(600570)、伊利実業集団(600887)、三一重工(600031)、中国建築(601668)などが買い越しとなり、宜賓五糧液(000858)、格力電器(000651)、歌爾(002241)、中国国旅(601888)、江蘇恒瑞医薬(600276)などが売り越しとなった。
本日の中国本土市場は堅調な展開か。北京市での新型コロナウイルスの感染再拡大について、「ピークは既に過ぎており、さらなる感染があっても「散発的」なものとなるはずだ」との中国トップクラスの疫学専門家の指摘が伝わっている。ピークを確定した方法に関する詳細は示されていないことから、即安心感に繋がるとは言い切れないものの、投資家心理にとってはプラス材料となろう。景気支援策への期待も継続しており、堅調な展開が続きそうだ。
(マーケット支援部 井上)