17日の香港株式相場は続伸。ハンセン指数の終値は前日比137.32pt(0.56%)高の24481.41ptだった。米株価指数先物がアジア時間の午後に上昇に転じ、香港市場では金融株や不動産株を中心に買いが入り、相場は次第に上げ幅を拡大した。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで24億2100万香港ドルの買い越しだった。
17日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反落。前日比170ドル37セント(0.7%)安の26119ドル61セントで取引を終えた。新型コロナウイルスの感染が米国の一部地域で拡大。経済活動の再開が鈍るとの見方につながり、景気敏感株を中心に売りが広がった。
本日の香港市場は方向感を探る展開か。米国や中国など世界各国で新型コロナウイルスの感染拡大が続いており、経済活動の正常化と景気回復が遅れるとの警戒感が重荷となる一方で、世界的な金融緩和や財政政策が株式相場を下支えするとの期待が支えとなろう。トランプ米大統領は17日、中国新疆ウイグル自治区の人権侵害を巡り、ウイグル族弾圧の責任が認められる当局者に制裁を科すよう政権に義務付けるウイグル人権法案に署名した。今回の署名により、人権を巡って中国に対して行動することにこれまで消極的であったトランプ大統領の姿勢変化が鮮明になったと伝わっており、中国政府の対応に注目が集まりそうだ。ポンペオ米国務長官と中国外交担当トップの楊潔チ(ヤン・ジエチー)中国共産党政治局員のハワイ会談も伝わっており、ニュースのヘッドライン等に反応する可能性は想定しておきたい。本日は中国ネット通販大手の京東集団(JDドットコム、09618)が上場する予定。堅調な動きとなれば、他のネット関連銘柄に注目が集まる場面もありそうだ。
(マーケット支援部 井上)
しっかりの展開を想定。スマホ関連の動向にも注目
17日の中国本土株式市場は小幅に続伸。上海総合指数の終値は前日比4.1237pt(0.14%)高の2935.8730pt、深セン成分指数は同21.870pt(0.19%)高の11420.836ptだった。中国・北京で新型コロナウイルスが拡大しているため医薬株が再評価され、相場全体の支えとなった。朝方は目先の利益を確定する売りで下げる場面もあったが、午後になって持ち直した。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで27億2200万元の売り越し。個別では、ハイクビジョン(002415)、海天調味食品(603288)、格力電器(000651)などが買い越しとなり、宜賓五糧液(000858)、ラックスシェア(002475)、美的集団(000333)、貴州茅台酒(600519)、江蘇恒瑞医薬(600276)、中国国旅(601888)、上海国際機場(600009)、三一重工(600031)などが売り越しとなった。
中国本土市場も方向感を探る展開か。北京の新型コロナウイルスの感染再拡大や米中対立再燃への懸念があるなか、足もと主要株価指数は戻りを試す動きとなっており、本日も堅調な動きが続くか注目されよう。米国や日本など各国が大規模な金融緩和策を打ち出すなか、中国では6月末~7月初にかけて、預金準備率などが再び引き下げられるとの観測が浮上しているもよう。昨日も北京市の新型コロナウイルス感染再拡大などを嫌気して売られたものの、下値は堅く、指数は引けにかけて再びプラスに転じている。底堅い展開が続くか注目されそうだ。
(マーケット支援部 井上)