16日の香港株式市場は大幅に5営業日ぶりに反発した。ハンセン指数の終値は前日に比べ567.14pt(2.38%)高の24344.09ptだった。米連邦準備理事会(FRB)が金融市場の安定に向けた社債の買い取り策を発表し、15日の米株式相場が上昇した。アジア時間16日にはトランプ米大統領が1兆ドル近いインフラ計画を準備しているとも伝わり、米経済の回復期待から香港市場でも投資家心理が強気に傾いた。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで20億2500万香港ドルの買い越しだった。
16日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸し、前日比526ドル82セント(2.0%)高の26289ドル98セントで終えた。朝方発表の5月の米小売売上高が過去最大の伸びとなり、景気改善を期待する買いが優勢となった。米政権が新たに1兆ドル規模のインフラ整備計画を検討しているとの報道も投資家心理の改善につながった。ただ、新型コロナウイルス感染の第2波への警戒は残り、上昇局面では戻り待ちや利益確定の売りも出やすく、朝方の買い一巡後、ダウ平均は上げ幅を50ドル程度にまで縮小する場面もみられ、相場は不安定だった。
本日の香港市場は高寄り後もみ合いを想定。ハンセン指数は続伸スタートが予想される。米国の個人消費の底打ち期待を背景とした米株高が支えとなろう。一方で、前日の大幅高の反動から利益確定売りも膨らみやすい状況か。朝鮮半島の地政学リスクが高まっていることも上値抑制要因として意識されそうで、寄り後は方向感に乏しい動きとなりそうだ。
(マーケット支援部 井上)
ハイテク株中心に堅調な展開か
16日の中国株式市場は反発。上海総合指数の終値は前日比41.7187pt(1.44%)高の2931.7493pt、深セン成分指数の終値は同206.693pt(1.84%)高の 11398.966ptだった。米国の景気対策期待を背景にアジア株がほぼ全面高となり、投資家心理が改善。米中対立への警戒一服も相場を下支えした。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで39億7000万元の買い越しだった。個別では、ラックスシェア(002475)、貴州茅台酒(600519)、江蘇恒瑞医薬(600276)、伊利実業集団(600887)、三一重工(600031)、恒生電子(600570)などが買い越しとなり、宜賓五糧液(000858)、格力電器(000651)、中国国旅(601888)などが売り越しとなった。
本日の中国本土市場は、堅調な展開か。昨日は、米商務省が米国企業の通信設備メーカー中国最大手の華為技術(ファーウェイ)との取引禁止ルールを変更し、5Gなどの基準作りで米企業とファーウェイが協力することを認めると発表したことを受け、5Gネットワーク投資が世界的に加速するとの見方が広がり、5G関連銘柄が買われる展開となった。ハイテク株の多い深セン市場では深セン成分指数が11400pt台乗せを窺う動きとなっており、本日もハイテク株中心に堅調な展開が期待できそうだ。
(マーケット支援部 井上)