15日の香港株式相場は4営業日続落。ハンセン指数の終値は前週末に比べ524.43pt(2.15%)安の23776.95ptだった。節目の24000ptを割り込み、約2週間ぶりの安値だった。中国・北京や米国の複数の州で新型コロナウイルスの感染が再び拡大。経済活動の正常化が遅れるとの警戒から、投資家が運用リスクの回避姿勢を強めた。午前の取引時間中に発表された中国の5月の主要経済統計は、市場予想をやや下回ったものの、前月に続いて中国経済が改善傾向にあることを示した。これを受けてハンセン指数は0.24%安まで下げ幅を縮める場面もあったが、アジア時間15日午後に米株価指数先物が下げ幅を広げると、ハンセン指数も下げが加速した。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで22億4800万香港ドルの買い越しだった。
15日の米株式相場は続伸。ダウ工業株30種平均は前週末比157ドル62セント(0.6%)高の25763ドル16セントで取引を終えた。米連邦準備理事会(FRB)が個別企業の社債の購入を開始すると発表し、積極的な景気支援を好感した買いが入った。朝方は新型コロナウイルスの感染第2波への懸念から急落する場面もあったが、午後に上昇に転じた。
本日の香港市場でハンセン指数は反発か。前日の米株式相場の上昇を受け、買い戻しが先行しよう。また、WTI原油先物相場がやや持ち直したのも支えとなろう。米商務省による米国企業の華為技術(ファーウェイ)との取引禁止規則変更も伝わっている。ハンセン指数は24000pt台回復を目指す動きとなりそうだ。
(マーケット支援部 井上)
堅調な展開か。米商務省、国内企業とファーウェイの協力容認 5G基準作りで
15日の中国本土株式市場で、上海総合指数の終値は前週末比29.7102pt(1.01%)安の2890.0306pt、深セン成分指数の終値は同59.434pt(0.52%)安の11192.273ptだった。上海総合指数は節目の2900ptを下回り、約2週間ぶりの安値となった。北京市で新型コロナウイルスの新規感染者が再び増加し、感染第2波への懸念が投資家心理の重荷となった。米株価指数先物の下落が香港などアジア株への売りに拍車をかけ、中国本土市場でも午後に入り下げ幅が次第に拡大した。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで40億7100万元の売り越し。個別では、宜賓五糧液(000858)、格力電器(000651)、ラックスシェア(002475)、美的集団(000333)、貴州茅台酒(600519)、中国国旅(601888)、江蘇恒瑞医薬(600276)、上海国際機場(600009)、伊利実業集団(600887)、興業銀行(601166)などが売り越しとなった。
本日の中国株式市場は堅調な展開か。米商務省は15日、米国企業が中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)と取引することを禁止した規則を変更し、第5世代移動通信システム(5G)などの基準作りで同社と米国企業の協力を認めると発表した。今回の規則変更について、米政府がファーウェイに対する態度を軟化させたと受け止めるべきではないとの見方はあるものの、株式市場では好材料として受け止められそうだ。
(マーケット支援部 井上)