11日の香港株式相場は大幅続落。ハンセン指数の終値は前日比569.58pt(2.27%)安の24480.15ptと、6月4日以来の安値となった。経済活動の再開への期待を背景に積み上がった持ち高を圧縮しようとする動きが強まった。米株価指数先物がアジア時間午後に下げ幅を拡大し、同日夜の米株式相場への警戒感から幅広い銘柄に売りが膨らんだ。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで4億4355万香港ドルの買い越しだった。
11日の米株式市場でダウ工業株30種平均は大幅に3日続落し、前日比1861ドル82セント(6.9%)安の2万5128ドル17セントで終えた。下げ幅は過去4番目の大きさだった。米国の新型コロナウイルスの感染「第2波」が現実味を帯び、市場では経済活動の早期正常化への期待が後退した。相場は3月後半以降、急速に上昇してきたため、景気敏感株を中心に幅広く売りが出た。
本日の香港市場は売り先行スタート後、神経質な展開か。前日の米株式市場でダウ工業株30種平均が急落した流れを受け、軟調なスタートが予想される。時間外の米株価指数先物の動向に左右されやすい地合いが想定され、ハンセン指数は24000pt台を維持できるかがポイントになりそうだ。
(マーケット支援部 井上)
神経質な展開か。海外投資家の動向に注目
11日の中国本土株式市場は下落。上海総合指数の終値は前日比22.8557pt(0.77%)安の2920.8968pt、
深セン成分指数の終値は同92.246pt(0.81%)安の11243.616ptだった。香港などアジアの主要株式市場で短期的な過熱感を警戒した売りが出ており、中国本土市場にも波及した。午前は高く推移する場面もあったが、午後に下げ幅を拡大した。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで1億4518万元の買い越し。個別では、ラックスシェア(002475)、美的集団(000333)、三一重工(600031)などが買い越しとなり、格力電器(000651)、宜賓五糧液(000858)、貴州茅台酒(600519)、中国国旅(601888)、江蘇恒瑞医薬(600276)、伊利実業集団(600887)などが売り越しとなった。
本日の中国本土市場も神経質な展開か。主要経済指標の発表を15日に控え、動きの取りづらい中、海外株安が投資家心理の重荷となろう。足もと14営業日連続で資金流入が続いているストックコネクトを通じた海外投資家の動向が注目されそうだ。
(マーケット支援部 井上)