8日の香港株式相場は小幅ながら6日続伸。ハンセン指数の終値は前週末比6.36pt(0.02%)高の24776.77ptだった。前週末発表の5月の米雇用統計が市場予想に反して改善したほか、中国の貿易統計も底堅い内容となった。景気の早期回復期待が相場を支え、金融や石油などに買いが入った。ただ、短期的な過熱感から下落に転じる場面もあった。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで4億8800万香港ドルの買い越しだった。
8日の米株式市場でダウ工業株30種平均は6日続伸し、前週末比461ドル46セント(1.7%)高の27572ドル44セントと2月24日以来の高値で終えた。米経済が早期に正常化するとの期待から、景気敏感株を中心に幅広い銘柄に買いが優勢となった。
本日の香港市場は一進一退の展開か。前日の米株式市場でダウ工業株30種平均が大幅続伸したことは、香港市場でも投資家心理の改善につながろう。一方で、昨日のハンセン指数は一時25000pt台を回復する場面が見られたものの、次第に上値を抑えられる格好となった。同指数は昨日まで6日続伸となっており、本日も上値は利益確定売りが抑える展開か。中国本土では明日(6/10)から来週明けにかけて物価統計や金融統計、鉱工業生産などの主要経済指標が発表される予定となっており、内容を見極めたいといったムードも広がりそうだ。
(マーケット支援部 井上)
こう着感の強い展開か。個別銘柄の選別物色中心の展開を想定
8日の中国本土株式市場は小幅に続伸した。上海総合指数の終値は前週末比6.9719pt(0.23%)高の2937.7712pt、深セン成分指数の終値は同35.163pt(0.31%)高の11215.76ptと、約3カ月ぶりの高値を回復した。世界景気の改善に伴う中国国内景気の回復期待が地合いを支えた。前週末に発表の5月の経済指標のうち外貨準備高が前月から増加したうえ、足元の人民元相場の持ち直しで中国からの資金流出懸念も和らぎ、大型株を中心に買いが優勢となった。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで6億1500万元の買い越しだった。個別では、伊利実業集団(600887)、三一重工(600031)、上海国際機場(600009)、美的集団(000333)、順豊HD(002352)などが買い越しとなり、格力電器(000651)、宜賓五糧液(000858)、ラックスシェア(002475)、貴州茅台酒(600519)、江蘇恒瑞医薬(600276)、中国国旅(601888)などが売り越しとなった。
本日の中国本土市場はこう着感の強い展開か。政策期待が根強く下値は堅いと思われるものの、明日以降の経済指標の発表を控え、様子見ムードも強まりそう。個別銘柄を選別物色する動きとなりそうだ。
(マーケット支援部 井上)