5日の香港株式相場は5日続伸。ハンセン指数の終値は、前日に比べ404.11pt(1.65%)高の24770.41ptと、3月11日以来3カ月ぶりの高値だった。欧州中央銀行(ECB)が4日の理事会で、市場予想を上回る大規模な追加金融緩和をしたことを好感した買いが香港市場にも波及したほか、世界で経済活動の再開が進みつつあることも、引き続き投資家心理の支えとなった。ハンセン指数は、朝方に目先の利益を確定する売りが出て下げる場面もあったが、持ち直した。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで4億8600万香港ドルの売り越しだった。
5日の米株式市場でダウ工業株30種平均は5日続伸した。前日比829ドル16セント(3.2%)高の27110ドル98セントで取引を終えた。5月の米雇用統計で雇用者数が市場予想に反して急増した。経済活動の再開で米景気が早期回復に向かうとの楽観論が広がり、景気敏感株を中心に幅広い銘柄が買われた。
本日の香港市場は堅調な展開か。新型コロナウイルスの打撃を受けた世界経済が回復へ向かうという楽観的な見方が香港市場にも波及しよう。先週末の米国市場の上昇を受け、ハンセン指数も4月29日の戻り高値を更新してのスタートが予想される。7日に発表された中国の5月米ドル建て貿易統計では、輸出が前年同月比3.3%減と4月の同3.5%増からマイナスに転じたが、下落率は市場予想の同6.5%減より小幅だった。一方、輸入は同16.7%減と市場予想の同7.9%減から悪化した(前月は同14.2%減だった)。予想に対して強弱入り混じる内容となったが、足もとの経済指標のブレが大きいことは想定通りとも言え、引き続き今後の動向を見極めたいといったムードにつながると思われる。今週は、10日に中国の5月物価統計の発表が予定されている。
(マーケット支援部 井上)
内需関連銘柄を個別物色する展開か
5日の中国本土株式市場は小幅高。上海総合指数の終値は前日比11.5487pt(0.39%)高の2930.7993pt、深セン成分指数の終値は同41.341pt(0.37%)高の11180.597ptと、約3カ月ぶりの高値となった。景気回復への期待が根強いほか、上海外国為替市場で人民元がドルに対して一時7.08元台に回復したのが投資家心理を支えた。一方で新規の売買材料に乏しいなか、積極的に買い進む動きが限られ、相場の上値は重かった。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで43億3900万元の買い越しだった。個別では、格力電器(000651)、貴州茅台酒(600519)、三一重工(600031)、上海国際機場(600009)、江蘇恒瑞医薬(600276)などが買い越しとなり、
ラックスシェア(002475)、宜賓五糧液(000858)、中国国旅(601888)、伊利実業集団(600887)などが売り越しとなった。
本日の中国本土市場は、内需関連銘柄を個別物色する展開を想定。7日に発表された中国の5月貿易統計で、輸出は市場予想を上回ったものの、輸入は市場予想を下回ったことを受け、中国政府による内需拡大策への期待が強まる流れとなりそうだ。
(マーケット支援部 井上)