3日の香港株式相場は3日続伸。ハンセン指数の終値は前日に比べ329.68pt(1.37%)高の24325.62ptと、節目の24000ptを上回り、5月20日以来2週間ぶりの高値水準となった。世界的な経済活動再開の動きを受けて2日の欧米株式相場が上昇。中国の国有企業が米国産大豆を購入したと伝わり米中対立激化への警戒も和らぎ、投資家が運用リスクの選好姿勢を強めた。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで11億3100万香港ドルの買い越しだった。
3日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸し、前日比527ドル24セント(2.0%)高の26269ドル89セントと、約3カ月ぶりに26000ドル台を回復して取引を終了した。市場予想を上回る米経済指標の発表が相次ぎ、米景気が回復に向かっているとの見方が広がり、金融や資本財など景気敏感とされる銘柄を中心に幅広く買われた。
本日の香港市場でハンセン指数は方向感に乏しい展開を想定。米景気の回復期待で米ダウ工業株30種平均が約3カ月ぶりに26000ドル台を回復しており、良好な外部環境は香港市場にとってもプラス材料と捉えられよう。一方で、米中対立への警戒感再燃の可能性には注意が必要か。トランプ米政権は中国航空会社の旅客機による米国乗り入れを停止するとの命令を告知したと伝わった。ハンセン指数は、5月21日に、香港への統制を強める香港国家安全法が翌日開幕の中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で議題になると明らかになったことを受け、同25日に一時22519ptまで下げたが、昨日までの上昇で21日の水準を回復した。ここからの上値追いにはやや慎重なムードも出ることも想定しておきたい。
(マーケット支援部 井上)
個別銘柄物色中心の展開か。投資家心理は良好とみる
3日の中国本土株式市場で主要株価指数はまちまちの動きとなった。上海総合指数の終値は前日比1.9731pt(0.06%)高の2923.3711ptと、3月12日以来の高値、深セン成分指数の終値は同4.137pt(0.03%)安の11108.359ptだった。中国メディアの財新などが発表した5月の非製造業の景況感指数が前月比で大幅に改善し、2010年10月以来の高水準となった。経済活動の再開による景気回復期待から主力銘柄に買いが入ったほか、海外株高も相場を支えた。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで44億1500万元の買い越し。個別では、ラックスシェア(002475)、歌爾(002241)、江蘇恒瑞医薬(600276)、中国国旅(601888)、三一重工(600031)などが買い越しとなり、宜賓五糧液(000858)、格力電器(000651)、貴州茅台酒(600519)、興業銀行(601166)、恒生電子(600570)などが売り越しとなった。
本日の中国本土市場は、個別銘柄物色中心の展開か。昨日は、5月の新車販売台数が2桁増になったとの報道を受け、上海汽車などの自動車株に買いが広がった。習近平国家主席が座談会に出席したと伝わった医薬品も総じて上げ、原油価格の上昇を好感して中国石油天然気(ペトロチャイナ)など資源株も買われた。深セン市場では、アップルのiPhone12シリーズなどの新製品が早ければ今年7月にも発売するとの報道を受け、電子機器のラックスシェアなどが上昇した。材料に敏感に反応する地合いとなっており、投資家心理は良好と思われる。個別銘柄を循環物色する動きが強まりそうだ。
(マーケット支援部 井上)