2日の香港株式市場でハンセン指数は続伸。終値は前日比263.42pt(1.10%)安の23995.94ptと、5月21日以来の水準となった。米国をはじめとした各国の経済活動再開の動きを好感し、世界景気の改善期待による買いが入った。月内に中国ネット大手の新規株式公開(IPO)が相次ぐ予定で、投資資金が流入するとの見方から相場の先高観も根強かった。指数は終日堅調な動きをみせ、この日の高値で取引を終えた。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで4億4600万香港ドルの買い越しだった。
2日の米株式相場は続伸し、ダウ工業株30種平均は前日比267ドル63セント(1.1%)高の25742ドル65セントと3月6日以来約3カ月ぶりの高値で終えた。米経済活動の再開で景気回復を織り込む買いが優勢となり、資本財や素材を中心に幅広い銘柄が買われた。全米で続く人種差別への抗議デモへの相場の反応はみられなかった。
本日の香港市場はもみ合いか。欧米株高や原油高を追い風に運用リスクを取りやすくなった投資家の買いが先行しよう。一方で、ハンセン指数は足もと2日間で4.5%の上昇となっており、上値では戻り待ちの売りも出やすいところと思われる。24,000ptをはさんだもみ合い展開を想定する。
(マーケット支援部 井上)
しっかりの展開か。良好な自動車販売見通しを背景に景気回復期待は継続
2日の中国本土株式市場は小幅に4日続伸。上海総合指数の終値は前日比5.9669pt(0.20%)高の2921.3980ptと、3月12日以来、約2カ月半ぶりの高値を連日で更新。深セン成分指数は同10.346pt(0.09%)高の11112.496ptで取引を終えた。景気回復への期待が引き続き相場の支えとなった。上海外国為替市場で人民元がドルに対して7.12元台に回復したのも投資家心理を支えた。一方で新たな売買材料に乏しいなか、相場は前日終値を挟んで小幅な値動きが続いた。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、成約ベースで19億2800万元の買い越し。個別では、歌爾(002241)、中国国旅(601888)、江蘇恒瑞医薬(600276)、上海国際機場(600009)、伊利実業集団(600887)、興業銀行(601166)などが買い越しとなり、宜賓五糧液(000858)、格力電器(000651)、ラックスシェア(002475)、貴州茅台酒(600519)、恒生電子(600570)などが売り越しとなった。
本日の中国本土市場はしっかりの展開か。中国汽車工業協会は2日、5月の新車販売台数が前年同月比11.7%増の213万6千台の見通しだと発表した。前年同月実績を上回るのは2カ月連続で、2ケタの増加幅になれば2018年4月以来、2年1カ月ぶり。中国政府による購入補助金の支給や大都市で実施していたナンバープレートの発給制限緩和などが国内需要を押し上げたようだ。政策効果が徐々に表れ始めていると言え、景気回復期待が投資家心理の支えとなる展開が続きそうだ。
(マーケット支援部 井上)