8日の香港株式相場は反発。ハンセン指数の終値は前日に比べ249.54pt(1.04%)高の24230.17ptだった。節目の24000ptを上回り、4月29日以来の高値だった。米中貿易協議を担当する両国の閣僚が8日午前に電話会談をしたと中国商務省が発表。新型コロナウイルスなどを巡る米中対立緩和への期待が相場を押し上げた。また欧米諸国の一部で経済活動の再開に向けた動きが出ていることも好感され、幅広い銘柄に買いが入った。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで4億2200万香港ドルの買い越しだった。
8日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸。前日比455ドル43セント(1.9%)高の24331ドル32セントとほぼこの日の高値で取引を終えた。新型コロナウイルスの発生源を巡る米中対立が先鋭化するとの懸念が後退し、市場心理が改善。米国の多くの州で経済活動の制限が緩和され始め、米景気が最悪期を脱したとの見方も買いを後押しした。
本日の香港市場は堅調な展開を想定。米国市場では、建機のキャタピラーや化学のダウなど中国関連銘柄が買われたほか、空運など旅行・レジャー関連銘柄も総じて高く、原油先物相場の上昇を受け、石油株も上昇した。香港市場もこの流れを受け、しっかりの相場展開となろう。ハンセン指数は、24500ptを窺う動きとなりそうだ。
(マーケット支援部 井上)
しっかりか。上海ディズニーランド再開で、消費関連銘柄に注目が集まる流れも
8日の中国株式相場は反発。上海総合指数の終値は前日比23.8212pt(0.82%)高の2895.3444pt、深セン成分指数の終値は同138.294pt(1.27%)高の11001.579ptと、約1カ月半ぶりの高値を回復した。中国商務省が、貿易協議を担当する米中の閣僚が8日午前に電話会談をしたと発表し、米中対立懸念が後退。中国内外で経済活動の再開の動きが進んでいるうえ、中国政府による景気刺激策への期待も根強く、上海総合指数は午後に心理的な節目の2900ptを上回る場面があった。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで48億6500万元の買い越しだった。個別では、貴州茅台酒(600519)、三一重工(600031)、格力電器(000651)、美的集団(000333)、ラックスシェア(002475)などが買い越しとなり、伊利実業集団(600887)、江蘇恒瑞医薬(600276)、海爾智家(600690)、三安光電(600703)、宜賓五糧液(000858)、歌爾(002241)などが売り越しとなった。
本日の中国市場はしっかりの展開か。中国は、外国人投資家が中国本土の株式や債券に投資する際の資格制度である適格外国機関投資家(QFII)と人民元適格海外機関投資家(RQFII)の投資枠撤廃に向けた規則をまとめ、国内金融市場の開放をさらに進めた(新規制発効は6月6日から)、と伝わった。現地メディアは、今回のQFII規制の緩和が外資に門戸を大きく開けることになると良い見方で評論しているところが多いようで、海外投資家に人気のある大型株に注目が集まりそうだ。また、本日は上海ディズニーランドが約4カ月ぶりに再開する。チケットは数分で完売したことで、中国が新型コロナウイルス感染拡大による打撃から回復する中で、市民が消費に動く用意があることの表れとの見方もあるようだ。消費関連銘柄に注目が集まる流れも想定しておきたい。
(マーケット支援部 井上)