7日の香港株式相場は反落。ハンセン指数の終値は前日比156.85pt(0.64%)安の23980.63ptだった。新型コロナウイルスへの対応を巡る米中対立が警戒され、持ち高調整の売りが優勢だったほか、米雇用指標の大幅な悪化も投資家の慎重姿勢につながった。午前に発表された4月の中国の貿易統計は輸出が市場予想に反して前年比プラスとなったが、相場の反応は限定的だった。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで11億6300万香港ドルの買い越しだった。
7日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発。前日比211ドル25セント(0.9%)高の23875ドル89セントで終えた。経済活動の再開が多くの州に広がり、米景気が回復するとの期待から主力ハイテク株を中心に買いが優勢となった。ナスダック総合株価指数は4日続伸し、同125.274pt(1.4%)高の8979.662ptと3月以来約2カ月ぶりの高値で終え、昨年末終値(8972.604pt)をわずかに上回った。
本日の香港市場は戻りを試す展開か。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う域内外での経済活動の停滞が収束に向かうとの期待が続くなか、前日の米国株高を受けた買いが先行しよう。また、米中の貿易協議責任者が第1段階の合意履行の進展を巡り、来週にも電話会談すると伝わっており、米中対立の緩和期待も追い風となりそうだ。今晩は4月の米雇用統計が発表される予定。雇用統計については、ADP全米雇用リポートで非農業部門の雇用者数が前月比で2023万人減少と大幅に悪化したこともあり、悪材料の織り込みは進んでいると思われる。ハンセン指数は戻りを試す動きが期待できそうだ。
(マーケット支援部 井上)
堅調展開を想定。景気減速に対する過度な懸念和らぐ
7日の中国株式相場は4営業日ぶりに小反落。上海総合指数の終値は前日比6.617pt(0.22%)安の2871.5232pt、深セン成分指数の終値は同19.933pt(0.18%)安の10863.285ptだった。指数は約2カ月ぶりの高値圏にあり、利益確定売りが出やすかった一方で、政府の景気対策への期待が根強いほか、経済指標の改善も投資家心理の支えとなり、相場の下値は堅かった。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで31億4800万元の売り越し。個別では、江蘇恒瑞医薬(600276)、三一重工(600031)、宜賓五糧液(000858)、美的集団(000333)などが買い越しとなり、貴州茅台酒(600519)、伊利実業集団(600887)、海天調味食品(603288)、白雲機場(600004)、格力電器(000651)、ラックスシェア(002475)などが売り越しとなった。
本日の中国市場は堅調な展開を想定。昨日発表されたCaixin中国4月サービス業PMIは44.4と、景気判断の境目となる50を引き続き下回ったものの、3月からは1.4pt上昇した。また、4月の輸出額も予想に反して前年比で増加に転じ、景気減速に対する過度な懸念が和らぎつつあると思われる。本日は米中の電話会談が伝わるなど、米中対立緩和への期待も高まりやすい状況と思われる。ハイテク株中心に堅調な展開となりそうだ。
(マーケット支援部 井上)