6日の香港株式市場で、ハンセン指数は続伸。終値は前日比1.13%高の24137.48pt、メインボードの売買代金は概算で1095億9000万香港ドルだった。ハンセン指数は小安く寄り付いた直後に切り返した。前日の米株高の流れを引き継ぎ、経済活動の再開や新型コロナウイルスのワクチン開発への期待から買いが先行。前場は心理的節目の24000pt付近で上値が伸び悩んだものの、後場に入ると上げ幅を拡大した。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで2億3800万香港ドルの買い越しだった。
6日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反落し、ほぼこの日の安値となる前日比218ドル45セント(0.9%)安の23664ドル64セントで終えた。米雇用指標の大幅な悪化や米中対立の懸念から売りが優勢となり、ダウ平均は取引終了にかけ一段安となった。
本日の香港市場は方向感を探る展開か。「トランプ米政権が新型コロナウイルス拡散の責任を問うとして、中国への報復措置の検討に入った」と伝わっており、香港市場でも上値抑制要因として意識されよう。一方で、昨日の中国本土市場は、米中対立が懸念される中、経済活動正常化の期待が強まる流れから強含みとなっており、本土市場が堅調推移となれば、香港市場も底堅い動きが期待されよう。本日は、Caixin4月中国サービス業PMI、4月中国貿易統計が発表される予定。うち貿易統計の市場予想は輸出が前年比11.0%減、輸入が同10.0%減(いずれもドル建て)となっている。
(マーケット支援部 井上)
戻りを試す展開を想定。経済活動正常化の期待が支える流れが継続か
連休明け6日の中国本土株式市場で、上海総合指数は3営業日続伸。終値は前営業日比0.63%高の2878.14pt、深セン成分指数は1.51%高の10883.22pt。上海、深セン両市場の売買代金は概算で7211億1100万元だった。上海総合指数は安く寄り付いた。新型コロナウイルスの感染拡大を巡ってトランプ米大統領が中国を批判し、関税引き上げや損害賠償金の請求などを検討していることが連休中に伝わり、米中関係の一層の悪化を懸念する売りが先行した。ただ、今月22日に開幕する全国人民代表大会(全人代)を前に、景気対策が本格化することへの期待が地合いを支え、前引け前にプラス圏に浮上すると、後場は次第に上げ幅を広げ、昨日の高値圏で取引を終えた。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで11億4000万元の買い越しと、6営業日連続で買い越し。個別では、貴州茅台酒(600519)、江蘇恒瑞医薬(600276)、格力電器(000651)、宜賓五糧液(000858)、ハイクビジョン(002415)、美的集団(000333)などが買い越しとなり、伊利実業集団(600887)、中国国旅(601888)、興業銀行(601166)、ラックスシェア(002475)などが売り越しとなった。
本日の中国市場は戻りを試す展開を想定。1月末から一時休業している上海ディズニーリゾートが今月11日に営業を全面的に再開すると発表するなど、新型コロナウイルス感染拡大がピークアウトするなか、工場や商業施設などの再開が伝わっている。エコノミストの一部からは、「中国経済は2月に底打ちした」との指摘もあるようで、全人代の5月22日からの開催が伝わる中、経済活動正常化の期待が支える流れが続きそうだ。
(マーケット支援部 井上)