27日の香港株式相場は反発。ハンセン指数の終値は前週末に比べ448.81pt(1.88%)高の24280.14ptだった。節目の24000ptを上回り、約1週間ぶりの高値だった。24日の米株式相場や原油先物相場の上昇を受けて、香港市場でも投資家が運用リスクの選好姿勢を強めた。香港では新型コロナウイルスの新規感染者数が1日当たりゼロ~数人程度まで減っている。先週末の香港の住宅販売が増加し、香港の不動産株が軒並み買われたことも相場の支えとなった。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで8億3300万香港ドルの買い越しだった。
27日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4日続伸し、前週末比358ドル51セント(1.5%)高の24133ドル78セントで終えた。米国で段階的に経済活動を再開させる動きが広がっており、米景気が回復に向かい始めると期待した買いが優勢だった。米国では前週に新型コロナ対応としては4800億ドル規模の追加の経済対策が成立。米連邦準備理事会(FRB)も28~29日に開く米連邦公開市場委員会(FOMC)で積極的な金融緩和を続ける方針を示すとみられ、財政・金融政策が米景気を支えると見方も買いを後押しし、ダウ平均は一時430ドル高まで上げ幅を広げた。
本日の香港市場で、ハンセン指数は戻りを試す展開か。欧米で経済活動を再開する動きを引き続き好感しよう。また、延期されている全人代の開催日程が近く公表されると伝わっており、追加の景気刺激策への期待も継続しよう。ハンセン指数は4月14日の戻り高値24435.4pt更新を試す動きとなりそうだ。
(マーケット支援部 井上)
堅調ながらも小動きか。連休控え利食い売りも
27日の中国株式相場は3営業日ぶりに小反発。上海総合指数の終値は前週末比6.9654pt(0.24%)高の2815.4947pt、深セン成分指数の終値は同28.708pt(0.27%)高の10452.170ptだった。
株式や商品の海外市況の改善を受け、過度なリスク回避姿勢が和らいだ。中国政府の景気刺激策への期待も根強く指数を支えた。
香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで39億3800万元の買い越し。個別では、三一重工(600031)、海天調味食品(603288)、中国国旅(601888)、上海国際機場(600009)、恒生電子(600570)、ハイクビジョン(002415)などが買い越しとなり、貴州茅台酒(600519)、江蘇恒瑞医薬(600276)、宜賓五糧液(000858)、格力電器(000651)などが売り越しとなった。
本日の中国市場は堅調ながらも小動きの展開か。昨日中国国家統計局が発表した2020年1-3月の工業企業(年間売上高2000万元以上の企業)の税引き前利益は前年同期比36.7%減の7814億5000万元となり、減益幅は1-2月の38.3%から1.6pt縮小した。縮小幅はまだ小さいものの、新型コロナウイルスの中国国内での影響が和らぎつつあると捉えられる指標の発表は、根強い政策期待とともに投資家心理の支えとなりそうだ。一方で、中国は5月1日より労働節による連休となる。休みを前に利食い売りの増加も予想されることから、上値を追う動きは限定か。全体相場は動きにくい局面と思われ、決算内容を手掛かりに個別銘柄を物色する動きが中心となりそうだ。
(マーケット支援部 井上)