24日の香港株式市場でハンセン指数は3日ぶりに反落。終値は前日比145.99pt(0.60%)安の23831.33ptだった。新型コロナウイルスの感染の世界的な影響が長期化するとの懸念が根強かったことに加え、週末とあって手じまい売りも出やすかった。香港のメーンボードの売買代金は827億香港ドルと約3週間ぶりの低水準だった。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで4億8400万香港ドルの買い越しだった。
24日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸。前日比260ドル01セント(1.1%)高の23775ドル27セントで終えた。米原油先物相場が連日で上昇し、投資家心理を支えた。決算発表が相次ぐ主力の大型ハイテク株が業績期待から買われ、相場をけん引した。
本日の香港市場でハンセン指数は反発か。原油相場の上昇等を背景に前週末の米株式相場が続伸したことが支えとなりそうだ。市場にはいち早く新型コロナウイルスの影響から脱した中国に期待する声も出てきており、景気回復を先取りしそうな銘柄に注目してみたい。安踏体育用品(02020)の1-3月期の販売は、「安踏」ブランドが前年同期比20-25%減少、「FILA」ブランドが同数%減少した。ただ、想定よりは減少率が限定的と見られ、同社は通年でのプラス成長に自信を示す。また、旅行手配大手の同程藝龍控股(00780)によると、4月上旬の受注量は3月上旬比で500%超増加。労働節の5連休(5/1-5)、端午節の3連休(6/25-27)などを控え、潜在的な観光ニーズはあるようだ。火鍋レストランの海底撈国際(ハイディーラオ、06862)の上海市内の店舗には、週末になると行列ができている。店舗の一時営業停止による業績への影響は否定できないが、直近の賑わいを見る限り火鍋人気は根強いようだ。
(マーケット支援部 井上)
堅調な展開を想定。全人代開催観測報道受け、政策期待高まる展開か
24日の中国株式相場は続落。上海総合指数の終値は前日比29.9701pt(1.05%)安の2808.5293pt、
深セン成分指数の終値は同140.583pt(1.33%)安の10423.462ptだった。2020年1-3月期決算で業績が悪化した銘柄などに売りが出て相場の重荷となった。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大への警戒も根強く、週末の持ち高調整の売りに押され取引終了にかけて下げ幅を拡大した。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで32億4900万元の買い越し。個別では、貴州茅台酒(600519)、宜賓五糧液(000858)、ラックスシェア(002475)、美的集団(000333)などが買い越しとなり、江蘇恒瑞医薬(600276)、伊利実業集団(600887)、三一重工(600031)、中国国旅(601888)、格力電器(000651)などが売り越しとなった。
本日の中国市場は堅調な展開を想定。「中国の全国人民代表大会常務委員会が26日開幕し、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて延期された全人代の開催時期に関する審議を行った」と伝わっている。李克強首相は23日に「感染対策が成果を挙げ、経済社会の秩序は急速に回復している」と述べており、全人代は5月下旬の開催が有力視されているようだ。全人代の開催は世界に先駆けて中国が「社会の正常化」に向かっていることをアピールする狙いもあると思われる。政策期待が支えとなる地合いが続きそうだ。
(マーケット支援部 井上)