23日の香港株式相場は小幅に続伸。ハンセン指数の終値は前日比83.96pt(0.35%)高の23977.32ptだった。前日の米国株高や米原油先物の下落一服が投資家心理を支え、一時は節目の24000ptを上回った。一方、新型コロナウイルスによる世界景気の減速懸念が根強く、相場は取引終了後にかけて上げ幅を縮小した。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで11億3900万香港ドルの買い越しだった。
23日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸。前日比39ドル44セント(0.2%)高の23515ドル26セントで終えた。米原油先物相場が連日で急騰し、投資家心理の改善につながった。ただ、新型コロナウイルスの治療薬の臨床試験への懸念や米経済指標の悪化が重荷となり、午後に伸び悩んだ。
本日の香港市場でハンセン指数は方向感に乏しい展開か。強弱材料が交錯するなか、心理的節目の24000pt付近でもみ合う展開が予想される。新型コロナウイルスの治療薬の臨床試験への懸念は香港市場でも上値抑制要因として意識されよう。一方で、中国政府による金融緩和と財政出動への期待は根強く、下値は押し目買いが支えとなろう。
(マーケット支援部 井上)
決算内容を手掛かりにした個別銘柄の選別物色中心の展開を想定
23日の中国株式相場は小幅に反落。上海総合指数の終値は前日比5.4810pt(0.19%)安の2838.4994pt、深セン成分指数の終値は同53.147pt(0.50%)安の10564.045ptだった。朝方は前日の米株高を追い風に小幅に上昇して始まったが、新型コロナウイルスによる経済の下押し圧力への警戒は根強く次第に売りが優勢となった。大手銀行の中国銀行が提供する原油先物価格に連動する金融商品を巡り、最近の原油価格の急落で投資家に大きな損失が発生したと伝わったことも懸念された。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで6億9100万元の買い越しだった。個別では、貴州茅台酒(600519)、伊利実業集団(600887)、中国国旅(601888)、宜賓五糧液(000858)、格力電器(000651)、美的集団(000333)などが買い越しとなり、江蘇恒瑞医薬(600276)、上海国際機場(600009)などが売り越しとなった。
本日の中国市場はもみ合いか。強弱材料入り混じる中、売り買い交錯の展開となろう。決算内容を手掛かりにした個別銘柄の選別物色中心の展開となりそうだ。
(マーケット支援部 井上)