21日の香港株式相場は大幅続落。ハンセン指数の終値は前日比536.47pt(2.20%)安の23793.55ptだった。原油価格の急落を受けて新型コロナウイルスによる世界景気の悪化が改めて意識され、運用リスクを回避する売りが広がった。北朝鮮の金正恩委員長の健康不安説が一部で報じられ、朝鮮半島情勢への警戒も相場を下押しした。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで30億6500万香港ドルの買い越しだった。
21日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落。前日比631ドル56セント(2.7%)安の23018ドル88セントで終えた。原油相場の下落が止まらず、投資家心理を冷やした。3月後半以降の戻り相場をけん引してきたハイテク株に売りが出て、指数を押し下げた。
本日の香港市場は続落か。米原油先物相場の下落が続いていることを警戒し、投資家の運用リスクを回避する売りが優勢となりそうだ。香港政府トップの林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は21日、公共の場所で5人以上が集まることを禁止するとした新型コロナウイルス対策を14日間延長すると表明した。23日に期限を迎える予定だったが、2度目の延長となり、5月7日までは娯楽施設の休業、外食店舗の座席管理措置も継続となる。売り圧力の増加が予想される中、改めて押し目買いのタイミングを見極める局面となりそうだ。
(マーケット支援部 井上)
落ち着きどころを探る展開か
21日の中国市場は4営業日ぶりに反落。上海総合指数の終値は前日比25.5395pt(0.89%)安の2827.0133pt、深セン成分指数の終値は同114.640pt(1.07%)安の10506.856ptだった。米原油先物相場が史上初のマイナス圏に落ち込んだのを受けて新型コロナウイルスによる世界経済の悪化懸念が再び意識され、アジアの主要株式相場が軒並み下落した。中国本土市場でもリスク回避ムードが強まり、上海総合指数は一時1.5%安まで下げた。ただ、中国政府の景気刺激策への期待は根強く、相場は取引終了にかけて下げ渋った。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで27億5300万元の売り越しだった。個別では、貴州茅台酒(600519)、江蘇恒瑞医薬(600276)、宜賓五糧液(000858)、美的集団(000333)、格力電器(000651)などが買い越しとなり、伊利実業集団(600887)、中国国旅(601888)、三一重工(600031)、ラックスシェア(002475)などが売り越しとなった。
本日の中国市場は落ち着きどころを探る展開か。外部環境の悪化を受けた利食い売りの増加が予想される中、香港市場同様に押し目買いのタイミングを見極める局面となりそうだ。
(マーケット支援部 井上)