20日の香港株式市場でハンセン指数は小反落。終値は前週末比49.98pt(0.20%)安の24330.02ptだった。指数が前週末に米経済活動の再開を期待し上げていただけに、20日は利益確定売りが優勢となった。寄り付き直後に中国人民銀行(中央銀行)が実質的な政策金利となる最優遇貸出金利(ローンプライムレート、LPR)を0.2pt引き下げたが、市場の予想通りとの受け止めが多く反応は限られた。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで26億3800万香港ドルの買い越しだった。
20日の米株式相場は3営業日ぶりに反落。ダウ工業株30種平均は前週末比592ドル05セント(2.4%)安の23650ドル44セントで終えた。ニューヨーク原油先物相場が史上初のマイナス圏に落ち込み、投資家心理を冷やした。前週末に新型コロナウイルス感染が収束に向かうとの期待から相場が大きく上げたため、目先の利益を確定する売りも出た。
本日の香港市場は売り先行の展開か。原油相場の下落は香港市場の投資家心理にとっても重荷となろう。
一方で、中国が利下げなどの金融緩和を続けるとの見方は根強いことから、ハンセン指数が心理的節目の24000ptを割り込む水準では押し目買いが支える展開もあり得よう。中国本土市場が続伸すれば、香港市場にも買いが波及する可能性は意識しておきたい。
(マーケット支援部 井上)
こじっかりの展開か。政策期待が支えに
20日の中国株式相場は3営業日続伸。上海総合指数の終値は前週末比14.0583ポイント(0.49%)高の2852.5528、深セン成分指数の終値は同93.506pt(0.88%)高の10621.496ptと、ともに3月13日以来の高値だった。財政赤字比率拡大の容認など中国当局の景気刺激策への期待は根強く、大引けにかけて徐々に上げ幅を拡大。朝方は目先の利益を確定する売りが出て下げる場面もあったが持ち直した。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで5000万元の買い越し。個別では、江蘇恒瑞医薬(600276)、三一重工(600031)、宜賓五糧液(000858)、美的集団(000333)などが買い越しとなり、貴州茅台酒(600519)、中国国旅(601888)、伊利実業集団(600887)、格力電器(000651)、ラックスシェア(002475)などが売り越しとなった。
本日の中国市場はこじっかりの展開を想定。原油相場の下落は懸念材料となろうが、中国政府による財政出動拡大方針がプラス材料となろう。中国共産党中央政治局は17日の会議で、新型コロナウイルス流行で疲弊した国内経済の立て直しを重視する方向性を改めて確認したと伝わった。特別国債を発行し、コロナの防疫、社会生活の保障、ワクチン・特効薬の研究・開発に投じる方針で、国内総生産(GDP)に対する財政赤字の比率拡大を容認するようだ。 政策期待が支えとなりそうだ。
(マーケット支援部 井上)