17日の香港株式相場は3日ぶりに反発。ハンセン指数の終値は前日に比べ373.55pt(1.55%)高の24380.00ptだった。新型コロナウイルスの感染が世界最多の米国で治療薬開発進展への期待が高まったほか、トランプ大統領が感染者の少ない地域から段階的に経済活動を再開させる方針を発表。これらを好感してアジア時間17日の米株価指数先物が大幅に上昇し、香港市場でも運用リスクを選好する姿勢が強まった。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで40億2000万香港ドルの買い越しだった。
17日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸。前日比704ドル81セント(3.0%)高の24242ドル49セントと3月10日以来、約1カ月ぶりの水準で終えた。新型コロナウイルスの治療法や検査体制の確立にむけた取り組みに前進がみられたと受け止められ、過度な懸念が後退。コロナ問題収束への期待から幅広い銘柄に買いが入り、ダウ平均は取引終了にかけ上げ幅を広げた。
本日の香港市場は方向感に乏しい展開か。米国で新型コロナウイルスによる景気停滞が長期化するとの懸念が後退し、17日の株高につながったことは香港市場ではほぼ織り込み済みと思われる。米国の経済活動再開について市場では、再開が株式相場の支えになると評価する声がある一方で、再開による感染再加速のリスクが意識されると、再び株式相場の上値が重くなる可能性があるとの見方もあるもよう。香港市場でハンセン指数は先週末に先行して戻した経緯もあり、戻り待ちの売りや利益確定の売りをこなしながらの展開となりそうだ。
(マーケット支援部 井上)
しっかりの展開か
17日の中国・上海株式相場は続伸した。上海総合指数の終値は前日比18.5595pt(0.65%)高の2838.4945pt、深セン成分指数の終値は同57.197pt(0.54%)高の10527.990ptと、約1カ月ぶりの高値を付けた。米国での経済活動の再開指針や新型コロナウイルスの治療薬開発への期待が追い風となり、中国市場でも買いが優勢となった。午前に発表の1~3月期の中国の国内総生産(GDP)は四半期ベースで初のマイナス成長となったが、事前の予想も低調で発表後の相場の反応は限られた。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで86億2300万元の買い越しだった。個別では、貴州茅台酒(600519)、上海国際機場(600009)、中国国旅(601888)、江蘇恒瑞医薬(600276)、宜賓五糧液(000858)、格力電器(000651)、ラックスシェア(002475)、美的集団(000333)などが買い越しとなった。
本日の中国市場はしっかりの展開か。ストックコネクトを通じた海外投資家によるA株買い越し額は、4営業日連続(4/17時点)で資金流入となり、4/1~4/17までの累計買い越し額は458億元と、今年単月ベースでの最高を更新した。海外からの投資資金の流入が続けば、中国人投資家の投資家心理とってもプラス材料となろう。また、本日は日本時間10:30に4月の中国最優遇貸出金利の発表が予定されている。市場では1年物で0.2%の利下げが見込まれており、当局の金融緩和姿勢が続いているか見極める材料として、注目されそうだ。
(マーケット支援部 井上)