16日の香港株式相場は続落。ハンセン指数の終値は前日比138.89pt(0.57%)安の24006.45ptだった。
英金融HSBCをはじめ金融株が軒並み下落し、相場の重荷となった。中国は新型コロナウイルスの影響を反映した1~3月期の国内総生産(GDP)を17日に発表する予定で、内容を見極めたい投資家による利益確定や持ち高調整の売りも出た。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで5700万香港ドルの売り越しだった。
16日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小幅に反発し、前日比33ドル33セント(0.1%)高の23537ドル68セントで終えた。大型ハイテク株への物色が相場の支えとなり、取引終了にかけてこの日の高値を付けた。
本日の香港市場は戻りを試す展開か。米メディアが16日夕、「バイオ製薬のギリアド・サイエンシズの新型コロナ治療薬として有望視されている製品を感染者に投与したところ、熱や呼吸器系の症状が急速に改善した」と伝えたことを受け、新型コロナの治療薬の開発につながり、米経済活動の早期再開が近づくとの思惑から米株価指数先物が16日夕のシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の時間外取引で上昇しており、香港市場も買い先行のスタートが予想される。本日は日本時間11:00に中国1-3月期GDPが発表される予定。市場では四半期ベースとして記録のある1992年以降で初めてマイナス成長となる公算が高まっているが、相当程度の落ち込みは予想されており、発表後のアク抜け感に期待したい。
(マーケット支援部 井上)
堅調な展開を想定。政策期待高まるかに注目
16日の中国株式相場は小反発。上海総合指数の終値は前日比8.7609pt(0.31%)高の2819.9350pt、深セン成分指数の終値は同53.419pt(0.51%)高の10470.793ptだった。朝方は足元の中国国内経済に対する様子見気分から売りが先行したが、金融緩和を含む中国当局の景気下支え策への期待が根強く、午後に上げに転じた。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで38億1500万元の買い越しだった。個別では、貴州茅台酒(600519)、江蘇恒瑞医薬(600276)、三一重工(600031)、宜賓五糧液(000858)、欧菲光集団(002456)などが買い越しとなり、上海国際機場(600009)、格力電器(000651)、ラックスシェア(002475)などが売り越しとなった。
本日の中国市場は堅調な展開か。外部環境の好転は中国市場にとっても追い風となろう。また、香港現地紙が新型コロナウイルスの感染拡大で延期されている中国全国人民代表大会(全人代)が5月中下旬にも開かれる可能性があると報じており、経済状態の正常化が進んでいると捉えられれば追い風となろう。
中国GDPについては、マイナス成長はすでに予想されており、「景気指標の悪化を受けて当局が景気対策を強める」との思惑にもつながりやすいこともあろう。アク抜け感が意識されることにも期待したい。
(マーケット支援部 井上)