15日の香港株式相場は3営業日ぶりに反落。ハンセン指数の終値は前日に比べ290.06pt(1.18%)安の24145.34ptだった。指数は14日に約1カ月ぶりの高値を付けており、目先の利益を確定する売りが優勢となった。朝方は高く始まったが、アジア時間15日の米株価指数先物の下落が嫌気され、大引けにかけて下げ幅を広げた。中国人民銀行が中期貸出制度(MLF)の金利を引き下げたことで連動して20日に追加利下げが実施されるとの見方が強まったものの、市場では織り込み済みとみられ反応は限られた。香港メーンボードの売買代金は前日比1%増の1120億香港ドル。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで15億6200万香港ドルの買い越しだった。
15日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落。前日比445ドル41セント(1.9%)安の23504ドル35セントで取引を終えた。新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けた過去最悪レベルの経済指標の発表が相次ぎ、投資家心理が悪化。大幅な減益決算の発表が相次いだ大手銀行株の下落も、相場の重荷だった。
本日の香港市場でハンセン指数は続落か。予想以上の景気減速を示す米経済指標の発表が相次ぎ、前日の米株式相場が下落したことが重荷となろう。新型コロナウイルスの感染拡大を受けた企業業績の悪化に対する警戒感も根強いと思われ、ハンセン指数は24000pt台を維持できるかがポイントとなりそうだ。
(マーケット支援部 井上)
様子見ムードの強い展開か
15日の中国株式相場は反落。上海総合指数の終値は前日比16.1089pt(0.56%)安の2811.1741pt、深セン成分指数の終値は同58.331pt(0.55%)安の10417.374ptだった。指数が前日に約1カ月ぶりの高値を回復したため、目先の利益を確定するための売りが優勢となった。中国人民銀行による中期貸出制度(MLF)の金利引き下げを受け、政府が金融緩和を強めるとの期待から下値を支える場面もあったが、米株価指数先物の下落に追随して香港株が午後に下げ幅を拡大し、中国本土でもリスク回避の売りが増えた。上海と深セン市場の売買代金は合計で6410億元と、前日から1割弱増加した。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで33億5500万元の買い越し。個別では、貴州茅台酒(600519)、三一重工(600031)、海天調味食品(603288)、伊利実業集団(600887)、格力電器(000651)、美的集団(000333)、宜賓五糧液(000858)、ラックスシェア(002475)などが買い越しとなり、江蘇恒瑞医薬(600276)、中国国旅(601888)などが売り越しとなった。
本日の中国市場は様子見ムードの強い展開か。米国経済指標の予想以上の悪化は外需消失を懸念させることから上値抑制要因として捉えられよう。一方で、中国人民銀行による金融緩和姿勢は下支え要因となろう。明日(4/17)に中国1-3月GDPの発表が予定されており、内容を見極めたいといったムードも強まりそうだ。
(マーケット支援部 井上)