8日の香港株式相場は反落。ハンセン指数の終値は前日比282.92pt(1.16%)安の23970.37ptとなり、心理的節目の24000ptを下回った。7日に米ニューヨーク州で新型コロナウイルス感染による1日の死者数が過去最多となり、感染拡大の長期化への警戒から同日の米国株が下落。経済活動停滞への懸念は根強く、直近に上昇していた香港株も利益確定売りが出た。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで23億4900万香港ドルの買い越しだった。
8日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発。前日比779.71ドル(3.4%)高の23433.57ドルと、約1カ月ぶりの高値で終えた。新型コロナウイルスの感染拡大が近く峠を越えるとの見方が投資家心理の改善につながったほか、急進的なリベラル政策を掲げていたサンダース上院議員が米大統領選から撤退すると発表したのも株買いを後押しした。
本日の香港市場は買い先行の展開か。米国での新型コロナウイルスの感染拡大が近く峠を越えるとの見方は香港市場にとっても好材料となろう。昨日は、前日に1~3月期業績の上方修正を発表した半導体受託生産会社(ファウンドリー)の中芯国際集成電路製造(SMIC、00981)が業績期待の買いを集めた。好材料に素直に反応する動きが見られており、好調な決算ガイダンスを発表した銘柄等への注目が集まりそうだ。
(マーケット支援部 井上)
堅調な展開か。ストックコネクト取引は本日(9日)から13日まで受付不可
もみ合いか。好悪材料をもとに銘柄選別
8日の中国株式相場は小幅に反落し、上海総合指数の終値は前日比5.3948pt(0.19%)安の2815.3686pt、深セン成分指数の終値は同42.368pt(0.40%)安の10386.545ptだった。新型コロナウイルスの発生地とされる湖北省・武漢の封鎖が、8日に2カ月半ぶりに解除されたものの、米ニューヨーク州では感染による7日の死者がこれまでで最多となるなど、世界で感染の拡大が続き、海外投資家の多い香港市場が下落したことを受け、金融株などで重複上場する銘柄も多い中国市場にも売りが波及した。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで34億5200万元の売り越し。個別では、貴州茅台酒(600519)、三一重工(600031)、宜賓五糧液(000858)などが買い越しとなり、江蘇恒瑞医薬(600276)、中国国旅(601888)、海天調味食品(603288)、ラックスシェア(002475)、格力電器(000651)、ハイクビジョン(002415)などが売り越しとなった。
尚、ストックコネクト取引は、現地取引ルールおよび香港休場のため、本日(9日)から13日まで受付不可となる。
本日の中国市場は堅調な展開を想定。外部環境の改善が後押し材料となりそうだ。
(マーケット支援部 井上)