23日の香港株式市場でハンセン指数は大幅反落。終値は前週末比1108.94pt(4.86%)安の21696.13ptと、2016年12月下旬以来およそ3年3カ月ぶりの安値を付けた。前週末の米国株相場や米原油先物相場の急落を受け、投資家のリスク回避姿勢が再び強まった。米ダウ先物の下落も地合いを冷やし、指数は終日大幅安で推移した。中国本土から香港株に投資する「港股通」(サウスバウンド・トレーディング)は、成約ベースで95億1000万香港ドルの買い越しだった。
23日の米株式市場でダウ工業株30種平均は大幅に続落し、前週末比582ドル05セント(3.0%)安の18591ドル93セントで終えた。新型コロナウイルスによる景気減速に対応するためトランプ政権が打ち出した経済対策について、野党・民主党の反対で議会と合意できず、政策実行に時間がかかるとの懸念から売られた。米連邦準備理事会(FRB)が23日朝、国債などの購入額の目安をこれまでの7000億ドルから無制限に切り替え、発表直後に株価指数先物が急速に買われたが、好反応は短時間で終わった。
本日の香港市場は、個別物色中心の展開を想定。全体相場は時間外の米株価指数先物取引の動向に左右される展開が続こう。期末決算の発表が本格化しており、内容を見極めつつ個別銘柄を選別物色する動きが強まりそうだ。
(マーケット支援部 井上)
落ち着き処を探る展開か
20日の中国本土株式市場で、上海総合指数は8営業日ぶりに反発。終値は前日比1.61%高の2745.62ptだった。深セン成分指数は1.30%高の10150.13pt。上海、深セン両市場の売買代金は概算で7170億4200万元だった。上海総合指数は前日まで7営業日続落し、約1年1カ月ぶり安値を更新した後とあって、反発狙いの買いが優勢となった。前日(3/19)のNY市場でダウ平均が反発して20000ドル台を回復したことから、世界的な株安連鎖に対する警戒感がやや和らいだほか、中国政府が景気刺激策として数兆元に上る財政出動を計画しているとの報道が好感された。上海総合指数は中盤に上げ幅を縮める場面もあったが、心理節目の2700ポイント付近で下値が堅かった。
香港から中国本土株に投資する「滬股通(上海コネクト・ノースバウンド)」と「深股通(深センコネクト・ノースバウンド)」は、合わせて成約ベースで16億8663万元の買い越しだった。個別では、貴州茅台酒(600519)、上海機場(600009)、興業銀行(601166)、中国国旅(601888)、宜賓五糧液(000858)、格力電器(000651)、ラックスシェア(002475)などが買い越しとなり、江蘇恒瑞医薬(600276)、三一重工(600031)、ハイクビジョン(002415)などが売り越しとなった。
本日の中国市場は方向感を探る展開か。時間外取引における米株価指数先物の急落など、外部環境の悪化は気になるところだが、政策期待が支えとなる展開は継続しよう。
(マーケット支援部 井上)