20日の香港株式市場で、ハンセン指数は3日ぶりに大幅反発。終値は前日比5.05%高の22805.07ptだった。19日のNY市場で米株式相場と原油先物相場が反発した上、米国と欧州、日本、豪州、英国の中央銀行が相次いで金融緩和に動き、買い安心感につながった。ハンセン指数の前日終値は2016年12月以来、3年3カ月ぶりの安値だったとあって、幅広いセクターに買い戻しが波及。中国政府が数兆元規模の財政出動を計画中と伝わったことも投資家心理を支えた。メインボードの売買代金は概算で1712億7000万香港ドル。中国本土から香港株に投資する「港股通」(サウスバウンド・トレーディング)は、成約ベースで53億900万香港ドルの買い越しだった。
20日の米株式相場は大幅反落。ダウ工業株30種平均は前日比913ドル21セント(4.5%)安の19173ドル98セントと2016年12月以来、約3年4カ月ぶりの安値で終えた。新型コロナウイルスの感染急増で、米国のカリフォルニア州やニューヨーク州が全事業所に対して出勤を禁止した。移動制限で米景気が落ち込むとの懸念が強まり、相場の重荷となった。また、23日早朝のシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の時間外取引では米株価指数先物が急落し、取引を一時中断する「サーキットブレーカー」の措置がとられた。ダウ工業株30種平均先物で流動性の高い「Eミニ・ダウ先物」6月物は前週末清算値と比べ954ドル(5.0%)安い18086ドルと節目の18000ドル目前まで売られた。米国で経済対策のとりまとめが難航しているとの報道があり、売りが膨らんでいるようだ。
本日の香港市場は売り優勢の展開か。週末に急騰した反動から利益確定売りが上値を抑えよう。また、時間外取引で米株価指数先物が急落していることも、投資家心理の重荷となりそうだ。
(マーケット支援部 井上)
方向感を探る展開か
20日の中国本土株式市場で、上海総合指数は8営業日ぶりに反発。終値は前日比1.61%高の2745.62ptだった。深セン成分指数は1.30%高の10150.13pt。上海、深セン両市場の売買代金は概算で7170億4200万元だった。上海総合指数は前日まで7営業日続落し、約1年1カ月ぶり安値を更新した後とあって、反発狙いの買いが優勢となった。前日(3/19)のNY市場でダウ平均が反発して20000ドル台を回復したことから、世界的な株安連鎖に対する警戒感がやや和らいだほか、中国政府が景気刺激策として数兆元に上る財政出動を計画しているとの報道が好感された。上海総合指数は中盤に上げ幅を縮める場面もあったが、心理節目の2700ポイント付近で下値が堅かった。
香港から中国本土株に投資する「滬股通(上海コネクト・ノースバウンド)」と「深股通(深センコネクト・ノースバウンド)」は、合わせて成約ベースで16億8663万元の買い越しだった。個別では、貴州茅台酒(600519)、上海機場(600009)、興業銀行(601166)、中国国旅(601888)、宜賓五糧液(000858)、格力電器(000651)、ラックスシェア(002475)などが買い越しとなり、江蘇恒瑞医薬(600276)、三一重工(600031)、ハイクビジョン(002415)などが売り越しとなった。
本日の中国市場は方向感を探る展開か。時間外取引における米株価指数先物の急落など、外部環境の悪化は気になるところだが、政策期待が支えとなる展開は継続しよう。
(マーケット支援部 井上)