13日の香港市場でハンセン指数の終値は3日続落し、1.13%安の24032.91ptと、2017年4月以来、約2年11カ月ぶりの安値で終えた。新型肺炎の感染拡大による世界景気の減速懸念から前日の欧米株が急落し、香港株にも売りが波及し、朝方には7.4%安まで下落した。(ハンセン指数は週間では8%下落)。午後は米株価指数先物の上昇に伴い、下げ幅を縮小した。中国本土から香港株に投資する「港股通」(サウスバウンド・トレーディング)は、成約ベースで161億7100万香港ドルの買い越しだった。
13日の米国市場でダウ平均は前日比1985ドル00セント(9.3%)高の23185ドル62セントで終えた。過去最大の上げ幅となった。上昇率は2008年10月以来、約11年半ぶりの大きさだった。新型肺炎のまん延を受けてトランプ米大統領が13日に非常事態を宣言し、米政府の新型肺炎対策が本格的に始動するとの期待につながった。
また、新型肺炎の中国以外の感染者数が15日、中国国内を初めて逆転した。イタリアなど欧州を中心に140カ国・地域以上に感染が拡大し、中国以外が全体の5割超となり、世界保健機関(WHO)は流行のピークを予測するのは不可能としている。
一方、中国人民銀行は13日、中小零細企業向けの融資を増やした銀行を対象に、銀行から強制的に預かるお金の比率を示す預金準備率を下げると発表した。さらに、日本時間16日朝に米国が緊急利下げを発表した。
本日の香港市場は、米国の経済対策及び金利引き下げに加え、中国の預金準備率の引き下げを好感する相場展開を予想するも、NYの株価指数先物等の動き次第で、上下にぶれやすい展開も想定しておきたい。
本日は日本時間午前11時に中国国家統計局から鉱工業生産(20年1-2月)、同小売売上高、同固定資産投資の発表が予定されている。
(マーケット支援部 飯田)
しっかりの展開か
13日の中国市場で上海総合指数は3日続落し、1.23%安の2887.4265ptと心理的な節目の2900ptを割り込んで終えた。世界の株式相場が急落するなか、上海市場でも投資家のリスク回避姿勢が強まったが、ただ、中国国内では新型肺炎の拡大がピークを超えたとの見方が広がっており、午後に下げ幅を縮めた。
深セン成分指数は1.00%安の10831.13ptと3日続落となった。香港から中国本土株に投資する「滬股通(上海コネクト・ノースバウンド)」と「深股通(深センコネクト・ノースバウンド)」は、合わせて成約ベースで147億2700万元の売り越しだった。
個別では、中国国旅(601888) などが買い越しとなり、貴州茅台酒(600519)、江蘇恒瑞医薬(600276)、上海機場(600009)、内蒙古伊利実業(600887)、国電南瑞(600406)、宜賓五糧液(000858)、珠海格力電器(000651)、杭州ハイクビジョン(002415)、ラックスシェア(002475)、などが売り越しとなった。
本日の中国市場は全体としてしっかりの展開か。各国中銀が緩和スタンスを鮮明化したことがプラス材料となる半面、中国以外の国・地域での新型肺炎感染の拡大に歯止めがかからず、世界景気の悪化懸念も依然としてくすぶる状況だ。買い一巡後は上値が重たくなる状況も想定されよう。
また、さらなる中国政府による景気刺激策への期待が高まりそうだ。
(マーケット支援部 飯田)