10日の香港市場でハンセン指数は3営業日ぶりに反発し、1.40%高の25392.51ptで終えた。習近平国家主席が武漢市を訪問したことが地合い改善につながったようだ。また、トランプ米大統領が新型肺炎の感染拡大で動揺する市場への対応として、包括的な経済対策を検討中と伝わり、過度なリスク回避姿勢が後退し、幅広い銘柄に買いが入った。中国本土から香港株に投資する「港股通」(サウスバウンド・トレーディング)は、成約ベースで83億6300万香港ドルの買い越しだった。
10日の米国市場でダウ平均は4営業日ぶりに反発し、前日比1167ドル14セント高の25018ドル16セントで終えた。トランプ米大統領が給与減税を含む経済支援策を10日夕に発表する予定と伝わり、投資家心理が和らいだ。前日に過去最大の下げ幅を記録した後とあって、値ごろ感から買いが入った。
日本時間11日朝、トランプ米大統領が新型肺炎対応の経済対策に関連した会見に出席しなかったと伝わり、NYダウ先物が下落している。投資家の懸念につながると思われ、本日の香港市場は売り優勢の展開となりそうだ。
(マーケット支援部 飯田)
売り買い交錯の展開か
10日の中国市場で上海総合指数は3営業日ぶりに反発し、1.81%高の2996.7618ptとなった。取引時間中には3000ptの節目を上回る場面があった。習近平国家主席が武漢市を訪問したことで、中国国内での新型肺炎の感染状況が落ち着いたとの見方が広がり、幅広い銘柄に買いが広がった。深セン成分指数も2.65%高の11403.47ptと3日ぶりに反発した。香港から中国本土株に投資する「滬股通(上海コネクト・ノースバウンド)」と「深股通(深センコネクト・ノースバウンド)」は、合わせて成約ベースで30億9700万元の買い越しだった。個別では、貴州茅台酒(600519)、用友網絡(600588)、宜賓五糧液(000858)、ラックスシェア(002475) 、珠海格力電器(000651)、杭州ハイクビジョン(002415)などが買い越しとなり、江蘇恒瑞医薬(600276)などが売り越しとなった。
昨日の習近平国家主席の武漢市訪問は引き続き好感されよう。一方で、トランプ米大統領が新型肺炎対応の経済対策に関連した会見を欠席したとの報道は懸念材料として意識されよう。本日の中国市場は、全体的には売り買いの交錯する展開を想定する。
(マーケット支援部 飯田)