5日の香港市場でハンセン指数は3日ぶりに反発し、2.08%高の26767.87ptで終えた。4日の米株式市場で、主要3指数の急騰を好感し、香港市場でも投資家が運用リスクの選好姿勢を強めた。中国共産党が4日に開いた政治局常務委員会で「5G」関連をはじめとした「新型インフラ」の建設加速を指示したことが相場を押し上げた。中国本土から香港株に投資する「港股通」(サウスバウンド・トレーディング)は、成約ベースで62億2900万香港ドルの買い越しだった。
5日の米国市場でダウ平均は反落し、前日比969ドル58セント(3.6%)安の26121ドル28セントで終えた。米国で新型肺炎の感染者数が増加したことで、景気減速懸念が高まり、リスク回避の売りが膨らんだ。
本日の香港市場は、不安定な米国市場の値動きへの警戒感とともに、前日のハンセン指数の大幅高となったことで、利益をいったん確定する売りも出やすい展開となろう。
(マーケット支援部 飯田)
下値は限定か
5日の中国市場で上海総合指数は4日続伸し、1.99%高の3071.6771ptで終えた。銀行や消費関連など出遅れ感がある大型株に買いが入り、相場を押し上げた。また、習近平国家主席が前日の政治局常務委員会で、「5Gネットワークやデータセンターなど新型インフラ設備の建設を加速する」と促したのを受け、関連銘柄への物色も目立った。深セン成分指数も1.90%高の11711.37ptと4日続伸となった。
香港から中国本土株に投資する「滬股通(上海コネクト・ノースバウンド)」と「深股通(深センコネクト・ノースバウンド)」は、合わせて成約ベースで48億1100万元の買い越しだった。個別では、貴州茅台酒(600519)、江蘇恒瑞医薬(600276)、中国国旅(601888)、宜賓五糧液(000858)、珠海格力電器(000651)、ラックスシェア(002475)などが買い越しとなり、用友網絡(600588)などが売り越しとなった。
本日の中国市場は、政策期待が支えとなる展開か。前日の米株安は懸念材料だが、中国指導部が新型肺炎に対応した消費促進とインフラ投資を表明したことで、景気回復への期待もあり、下値は限られよう。
(マーケット支援部 飯田)