4日の香港市場でハンセン指数は前日比62.75pt(0.23%)安の26222.07ptで終えた。米連邦準備理事会(FRB)の緊急利下げや香港の追随利下げを受け、英系や香港系の銀行株が売られて指数の下落要因のひとつとなり、HSBC1銘柄だけでハンセン指数を55pt押し下げた。中国本土から香港株に投資する「港股通」(サウスバウンド・トレーディング)は、成約ベースで11億2600万香港ドルの買い越しだった。
4日の米国市場でダウ平均は前日比1173ドル45セント(4.5%)高の27090ドル86セントで終えた。米大統領選の民主党候補者争いでバイデン前副大統領が首位に立った。国民皆保険や企業への規制強化を訴えるサンダース上院議員が不利と伝わり、恩恵を受けるヘルスケア関連を中心に幅広い銘柄に買いが優勢となった。
本日の香港市場は、前日にハンセン指数が続落した後とあって、値ごろ感に着目した買いが入りやすい状況が想定されよう。新型肺炎の感染拡大が世界経済に与える影響を見通すことが難しいものの、中国政府による景気刺激策や金融緩和策などへの期待が支えとなろう。
(マーケット支援部 飯田)
買い優勢の展開か
4日の中国市場で上海総合指数は3日続伸し、終値は0.62%高の3011.6657ptと節目の3000ptを上回った。新型肺炎の感染拡大に対応し米連邦準備理事会(FRB)が3日に緊急利下げに踏み切ったことを受け、中国の利下げの余地が拡大したとの思惑が強まった。金利引き下げで恩恵を受けると思われる不動産などが買われ、相場を牽引した。深セン成分指数も0.08%高の11493.02ptと3日続伸となった。
香港から中国本土株に投資する「滬股通(上海コネクト・ノースバウンド)」と「深股通(深センコネクト・ノースバウンド)」は、合わせて成約ベースで7億8100万元の売り越しだった。個別では、貴州茅台酒(600519)、中国国旅(601888)、宜賓五糧液(000858)、ラックスシェア(002475)、科大訊飛(002230)、珠海格力電器(000651) などが買い越しとなり、三一重工(600031)、江蘇恒瑞医薬(600276)などが売り越しとなった。
本日の中国市場は、米株高の流れを引き継ぎ買い優勢の展開を予想する。米国の緊急利下げを受けた中国金融当局の追随期待や中国政府による景気刺激策への期待が相場の支援材料となるだろう。
(マーケット支援部 飯田)